今や、日本人の生活には欠かせないものとなった、コンビニエンスストア。そんなコンビニで今、有名メーカーのコンビニ限定商品が続々と登場し、人気を集めている。
例えば、大きな話題となったものでは、2013年にハーゲンダッツジャパンがセブンイレブン限定で発売した「ジャポネ〈抹茶アズキ〉」がある。それまでハーゲンダッツジャパンが特定の小売りチェーンに限定商品を提供する例はなかったため、業界はもちろん、一般消費者からも大きな注目を集めた。
コンビニが強力な販売力を発揮するようになった今、有力メーカーにとってもコンビニで限定商品を販売することは様々なメリットが考えられる。まず、コンビニのオリジナル商品として差別化を図ることで話題になりやすいのはもちろん、販路を限定することで競争がなくなり、値崩れを防ぐことができる。また、コンビニはPOSシステムがしっかりしているので、購入者のデータが正確に入手できるという利点もある。新製品のマーケティングを行い、市場の動向を探るにはうってつけというわけだ。スーパーなどに比べて、利用者層が比較的若いという点も大きいだろう。
一方、コンビニの棚には昨今、さまざまな滋養強壮剤が目立つようになってきた。ドラッグストアでももちろん購入できるが、「疲れた」と感じた時にすぐに立ち寄れるのはコンビニならでは。
最近の傾向としては、エーザイ<4523>の人気商品チョコラBBシリーズ「チョコラBBドリンクビット」や、大正製薬<4581>おなじみのリポビタンDシリーズの「リポビタンフィール」など、低カロリー・ノンカフェインを売りに女性をターゲットにした滋養強壮ドリンク商品が人気を集めている。
そんな中、ミツバチ産品でトップクラスのシェアを誇る山田養蜂場が、セブンイレブンをはじめとする、セブン&アイ<3382>グループの店舗限定で、同社の主力カテゴリーであるローヤルゼリー・プロポリス・はちみつを使った健康ドリンク「はちみつローヤルゼリー」の販売を開始する。医薬部外品ではローヤルゼリーの含有500mgに制限されているが、医薬部外品ではない同製品はその4倍の2000mgも含有している。しかも天然素材プロポリスも200㎎含有がすると共に、甘味料はハチミツだけということのようで、同社ならではの製品となっているのが特長だ。
山田養蜂場はこれまで、通信販売が中心の事業展開を行ってきた。同社にとって、大手流通チェーンの店頭で商品が全国展開されるのは初めてとなる。同社のように、これまで通信販売や地域限定で展開していた商品が、コンビニを通して全国展開を果たす事例がこれからますます増えてきそうだ。(編集担当:松田渡)