オフィスで拡散中 ストック型ランチで昼休みを有効利用

2016年04月01日 08:45

画・転職希望者に朗報 求人数・内定社数が大幅増

「ランチ難民」という言葉が生まれるほど、オフィス街の昼時は飲食店の数と客数の需給バランスが崩れる。昼休みの間に食事をとれなかったり、行列に並んで本来休めるはずの時間をロスしたり…。忙しく働いている中、昼休みくらいはのんびりしたいものだ。

 オフィスで働く会社員にとって大切な時間である昼休み。おいしい食事できちんと栄養を補充して、午後からの働きの糧にしたいところだ。しかし外に食べに行く時間がとれなかったり、コンビニのレジで長い時間並んだりと、なかなか時間を有効に使えない現実もある。

 そこで最近広がりを見せているのが「ストック型ランチ」だ。職場に日持ちする総菜や弁当を置いておくことで、ランチを買いに行く時間と手間を省く効果がある。

 フジッコ<2908>が企業向けに提供しているプロジェクト「ベスタデリ」は、賞味期間47日のチルド惣菜をオフィスの冷蔵庫にストックしておくもの。メニューはグラタンやラザニアなどがあり、レンジで3分間加熱するだけで「本格シェフの作りたて味が楽しめる(同社)」。価格は 409円とリーズナブルだ。

 2012年に東京・渋谷で創業したベンチャー企業、おかんのサービス「オフィスおかん」も同様のサービスを展開している。提供する惣菜やご飯、スープは福井県にある総菜屋チェーンが保有する技術を用いて約1カ月という保存期間を可能にした。導入企業はすでに200社以上となり、その従業員規模は5人程度から1000人以上と幅広い。「社食がある企業でも開いている時間は限定されているので、それを補完するかたちで導入するケースもあります」と同社代表の沢木恵太氏はニーズの多様性を実感している。

 京都を本拠地とするSmiley(スマイリー)は、「OFFICE CAFE」という無添加の弁当や惣菜の定期配送サービスを手がけている。契約先に冷蔵庫とレンジ、加温庫を設置し、クール便で毎日届けている。冷蔵庫に入れておけば3日の賞味期限があり、食べ忘れても翌日に持ち越せる。電子レンジに行列ができることも考慮して、加温庫も貸与しているのが特徴だ。価格は弁当1食あたり600円~890円、メニューは日替わりで3種類から選べる。

 食の安全・安心財団によると、総菜や弁当など「中食」を利用する食の外部化率は44.0%にのぼる。デパ地下やスーパー、コンビニの充実が数字を押し上げていると予想されている。しかし、忙しいビジネスマンにとっては外に買いに出かける時間すら貴重なのだ。都心を中心に広がりを見せる「ストック型ランチ」の需要はまだまだ伸びそうだ。(編集担当:久保田雄城)