関西の基盤技術を世界へ、支援ポータルサイトが公開

2012年12月04日 11:00

 経済産業省が平成18年度から実施している「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」。「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく支援策の一環として、同法により「研究開発等計画」の認定を受けた中小企業者が国からの委託を受け、鋳造、鍛造、切削加工、めっきといった分野のものづくり基盤技術の高度化に資する研究開発から試作段階までの取組を促進することを目的としたこの事業から、一つのポータルサイトが登場した。

 それが、関西のものづくり基盤技術の情報発信とビジネスマッチングを支援する「サポインショウルーム」である。海外向けウェブサイト制作・ウェブプロモーション事業を展開するエクスポート・ジャパンが、経済産業省近畿経済産業局の実施する、平成24年度「戦略的基盤技術高度化支援事業の事業化支援事業(Webテストマーケティング)」を受託したことから実現した本ポータルサイトは、国外への販路も開拓するため、日本語のみならず英語のサイトも同時に公開されている。

 本ポータスサイトでは、例えば、太陽光と人工光を利用したハイブリッド対応の省エネルギー型植物栽培システムといった市場の拡大が期待できる技術を持つ企業から、世界初の樹脂製ランセット針「ピンニックス ライト」を発売しているライトニックスや世界初の中空鋳造技術を持つ浅田可鍛鋳鉄所といった、世界に誇れる技術を持つ企業まで、現在約30社が国内外に向けて自社の技術をアピールしている。

 日本総研のレポートによると、海外経済の原則などにより輸出が春以降減少に転じ、鉱工業生産指数は7~9月期に大きく低下。雇用・所得環境は緩やかに改善しつつあるものの、大型小売店販売などは横ばい圏内で推移している関西の景気。さらに足元では、エコカー補助金の終了に伴い乗用車販売に急ブレーキがかかっているなど、目に見えて厳しい状況にある。しかし、関西に終結する技術は「中小企業の技術力を結集して人工衛星を打ち上げよう」と東大阪宇宙開発協同組合を設立し、「まいど一号」の打ち上げ・全ミッションの完遂に成功するなど、以前からその技術力の高さは折り紙つきであった。この技術力を真に世界へと羽ばたかせることができるのか、期待の高まるところであろう。