IT専門調査会社 IDC Japanは、2015年第4四半期(10月~12月)の実績、および最新の景気動向などに基づき2016年~2020年の国内製品別IT市場予測を発表した。
2016年の国内IT市場規模は、14兆5,683億円、前年比成長率はマイナス0.4%と予測した。国内IT市場を構成する国内ハードウェア市場、国内ITサービス市場、国内パッケージソフトウェア市場の2016年の市場規模と前年比成長率は、それぞれ6兆1,768億円、マイナス4.7%、5兆5,003億円、2.1%、2兆8,912億円、4.6%と予測した。国内IT市場に国内通信サービス市場を加えた国内ICT市場の2016年の市場規模は25兆2,670億円、前年比成長率はマイナス0.6%と予測している。
2016年の国内IT市場は、ソフトウェア(パッケージソフトウェア)市場、ITサービス市場が堅調な伸びを示すものの、エンタープライズネットワーク機器を除くすべてのハードウェア製品市場がマイナス成長となるため、IT市場全体としては、前年比微減と予測している。
国内IT市場の2015~2020年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は0.8%、国内ICT市場のCAGRはマイナス0.3%と予測しています。2020年の国内IT市場規模は15兆2,413億円、国内ICT市場規模は25兆37億円と予測した。
2020年は東京オリンピック開催年であり、景気が上向く期待がもたれているにもかかわらず、同年の国内IT市場は、前年比1.0%減のマイナス成長を予測している。直接の原因は、2020年1月にWindows 7のサポート終了を迎えるため、2019年に更新需要増が予測されているPC市場が、その反動で大幅なマイナス成長となることだという。
しかしこれは同時に、経済が上向きであるにもかかわらず、現状のIT戦略の延長上ではPC市場のマイナス成長を上回る第3のプラットフォームに基づく戦略的なIT投資増が期待できないことを意味しているという。IDC Japan ITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は「ITサプライヤーは、国内市場において第3のプラットフォームを活用した戦略的IT投資を増加させるために、ITプロフェッショナル(ユーザー企業)に対し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していくべきである」と分析している。(編集担当:慶尾六郎)