三菱マテリアル決算、金属・高機能材で増益 銅価格と半導体需要が支え

2026年05月14日 14:18

今回のニュースのポイント

三菱マテリアルの2026年3月期決算は、売上高1兆8,440億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比19.1%増の405億円となりました。金の生産量減少などで減収となった一方、銅・金価格の上昇や銅加工品の販売増が利益を大きく押し上げました。次期は売上高1兆9,900億円と増収を計画するものの、資源価格の変動や買鉱条件(TC/RC)の悪化を慎重に読み、営業利益は前期の605億円から360億円へと約4割の減益を予想しています。

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 三菱マテリアルが公表した2026年3月期連結決算は、売上高が1兆8,440億5,300万円(前期比6.0%減)、営業利益が605億200万円(同63.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は405億8,100万円(同19.1%増)となり、減損損失や事業構造改革費用など計414億円の特別損失を計上しながらも、本業の好調により増益を守りました。

 セグメント別では、高機能製品事業が銅加工を中心に利益が急拡大しました。売上高5,858億円(前期比14.8%増)、営業利益210億円(同272.6%増)となり、電子材料も半導体関連製品の一部で需要が緩やかな回復基調にあるなど、収益改善に寄与しました。主力の金属事業は、金の生産量減で売上は縮んだものの、銅・金価格の上昇などで営業利益は小幅増を確保。さらに鉱山からの受取配当金や持分法投資利益の増加もあり、経常利益は570億円(同38.6%増)と大きく伸びました。

 加工事業についても、2024年に買収したエイチ・シー・スタルク社の連結寄与に加え、値上げ効果や超硬製品の販売増により、営業利益は164億円(前期比84.9%増)と大幅に伸長しました。一方で再生可能エネルギー事業は、落雷による地熱発電所の停止が響き、減収減益となりました。

 財務面では、貸付け金地金や棚卸資産の積み上がりで総資産は2兆9,997億円と膨らむ一方、預り金地金の増加などで負債も2兆2,467億円へ拡大。自己資本比率は24.5%(前期末は28.5%)まで低下しています。株主還元については、当期の年間配当を100円(前期と同額)とし、次期は116円への増配を予定しています。

 2027年3月期の通期予想は、売上高1兆9,900億円、純利益490億円を計画しています。売上は伸長するものの、営業利益は前期の605億円から360億円へと約4割の減益を見込んでいます。これは資源価格の不透明感に加え、精鉱を購入する際の条件であるTC/RC(製錬手数料)の悪化などが収益を圧迫する懸念があるためです。

 素材メーカーとして「量から質」への転換を急ぐ同社は、小名浜製錬所での銅精鉱処理停止を決定するなど、抜本的な事業再編を進めています。資源循環の拡大と、AI需要を取り込む半導体材料の強化という両輪が、次世代の成長に向けた鍵となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)