軽乗用車販売で“ホンダがスズキを抜く日”……。5月の結果から見る軽自動車市場

2016年06月07日 07:51

Honda_N-WGN

2013年にデビューした「ホンダN-WGN」、この5月は6169台(前年比120.5%)の販売で、軽ナンバーワンの「N-BOX」に次ぐ、ホンダ軽「Nシリーズ」第二のスタープレイヤーだ。すでに、スズキの“かつての大スター”「ワゴンR」(同5704台/同71.6%)を凌駕している。第三の“N-ONE”も12位(同107.8%)だ;

 全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が6月6日、5月の軽乗用車の車名別販売台数を発表した。この統計速報によると、ホンダ「N-BOX」が3カ月連続でトップとなった。N-BOXの販売台数は1万1487台で前年同月比110.5%だった。5月、ホンダの軽自動車乗用車販売総数は1万9978台(同111.4%)で、軽自動車メーカー中トップの伸び率だった。車名別販売2位はダイハツ「タント」で、1万1283台(同129.9%)と大きく伸ばした。

 一方、燃費データ不正が明らかになったスズキは、3位に代表車種「アルト」が入ったが、販売台数で7711台(同90.2%)と、上位2モデルとは決定的な差が付く結果に。ほかのモデルも後述するように軒並み販売台数を大きく落とし、スズキの軽乗用車販売は2万7961台(同78.9%)となった。この結果、先月まで軽自動車販売トップの座をダイハツ(2万8632台/同107.1%)に譲ることとなった。

 昨年5月は、軽自動車税増税直後で販売水準が低かった。にもかかわらず、スズキの上位車種は4位の「スペーシア」が6676台(同83.0%)、5位の「ハスラー」が6696台(同79.1%)、7位の「ワゴンR」が5704台(同71.6%)と前年実績を大きく割り込む惨憺たる結果となった。スズキの5月販売は、燃費データ疑惑以前に契約したものが多いため、6月はさらに大幅な落ち込みとなりそうな気配だ。

 三菱自動車の「eK」と日産の「デイズ」は販売を中止しているためゼロだった。ちなみに、「eK」は昨年5月に2500台、「デイズ」は同じく9452台販売していた。「デイズ」は日産の2015年国内最量販車種だった。

 5月の軽自動車乗用車販売は全体で8万1614台(前年同月比82.7%)。乗用車のブランド別で見るとダイハツが2万8632台(同107.1%)、ホンダが前述のとおり1万9978台(同111.4%)だった。

 一方、スズキは2万7961台(同78.9%)だった。消費税と軽自動車税の増税後の苦戦が続いたほか、燃費データ不正問題の影響もあっただろう。が、6月以降は、更なる苦戦が予想される。

 スズキはOEMを含め計26車種約214万台で、燃費算出用データを国の規定と異なる方法で計測していた。果たして来月以降の軽自動車販売数字は如何に推移するのだろう。

 もしかすると、今月(2016年6月)、ホンダが軽自動車(乗用車)国内新車販売でスズキを抜いてしまうかも知れない。可能性は極めて低くない──はずだ。(編集担当:吉田恒)