三越がメッセージギフトつきお中元を導入 顧客ニーズを満たすサービス

2016年06月12日 10:17

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三越が凸版印刷のVoicepackを利用した、お中元に声のメッセージをつけられるサービスを開始。

 今年のお中元に合わせて、三越伊勢丹ホールディングス<3099>の三越は銀座店は「声のメッセージギフト」サービスを開始した。これはお中元と共に届くQRコードをスマートフォンで読み込むと送り手からのメッセージを聞くことができるという初の試みだ。

 このサービスは凸版印刷<7911>が提供する「Voicepack」を利用している。贈り手がギフトセンターの録音ブースで10秒ほどのメッセージを吹き込むと、その音声データがWebサーバーに保管されて、データアクセス用のURLがQRコードで生成される。三越ではそのQRコードをシールにする。利用者は受け取ったシールを台紙に貼って専用の封筒に入れ、ギフトセンターから商品と共にギフト発送することができる。

 このサービスのメリットは、音声をWeb上に保存して、従来の音声付きギフトカードに必要だった再生・録音機構を省く経済性だろう。受け手側もスマートフォンなどの手持ちの媒体を用いて音声を手軽に再生できる。凸版印刷では、季節ギフト売り場や、父の日、母の日、バレンタインデー、クリスマスなどイベント用プレゼントを販売する店頭、結婚式場や写真館、観光地のお土産店のサービスなどで更なる受注を見込む。その際に、PCやプリンターといったハード類、イベントのブースデザインから施工、発送の際に必要な台紙や封筒などの文具、その他販促ツールまで、トータルでサービスをサポートすることが出来るのも同社の強みだ。

 昨年ライフメディアが各世代の男女1000人を対象に行った調査によると、お中元を贈る相手で一番多いのは「両親」(44.9%)、次いで「親戚」(23.5%)、「兄弟姉妹」(23.5%)となっており、「上司」(10.4%)や「取引先」(10.0%)を大きく抑えて、近親者に好んでお中元を贈る実態がわかる。また西日本電信電話株式会社が実施した別の調査では、「もしお中元をメッセージ付きで貰ったらうれしいか」という質問に対して、「とても嬉しい」または「嬉しい」の回答は合わせて80.6%を占めた。一方で、実際にメッセージをつけて贈っている人は15.3%に留まっていて、メッセージ付きギフトの潜在需要を示す結果となっている。ギフトを用意するついでに簡単に声のメッセージを用意できる三越のサービスが成功すれば、今後Voicepackのギフト事業は大きな広がりを見せるかもしれない。(編集担当:久保田雄城)