ここ最近、日本企業の多くはASEAN地域を中心とした新興国への進出に積極的だ。なかでもインドへの期待度は大きい。要因として、約12億の人口という内需への期待感、また中近東などへのハブ拠点としての立地も大きいようだ。
クラリオン<6796>は、ワールド・ワイドな成長戦略の一つとして、拡大するインド市場およびASEAN地域の商権拡大・強化を目的に、インド・ニューデリーに100%出資の現地販売子会社Clarion India Private Limited(仮称)を設立し、4月から事業を開始するという。同社は現在、タイ・ラヨン県にあるClarion Asia(Thailand) Co.,Ltd.を中心にASEAN地域の活動を行っているが、成長を続けるインド市場に対応するため、インド国内に販売・サービス・技術サポート体制を整えることで、自動車メーカー向けOEM商権の維持・拡大を図るとともに新規商圏の獲得および市販市場の開拓を推進している。新販売子会社は、インドにおけるクラリオン製品の販売を中心にマーケティング・サービスに関連する事業を行い、初年度1,000百万円の売上高を見込んでいる。
また三菱電機<6503>は、インドでの昇降機の販売・製造・据付・保守を行うMitsubishi Elevator ETA India Private Limitedを設立し、2013年1月より事業を開始している。今後、昇降機需要の更なる伸びが期待されるインドでの事業強化を図り、2015年度には同国での販売台数4,000台を目指すという。
さらに、マイクロアドはインドにおいて現地法人「MicroAd India Pte.Ltd.」を設立し、同国におけるアドプラットフォーム事業を開始している。新会社は、ディスプレイ広告の一元管理プラットフォーム「MicroAd BLADE(マイクロアド ブレード)」を広告主、代理店向けにサービスを提供していく。現在、インドのインターネット人口は、アジアでは中国に次ぐ1.3億人となり、人口の10%程度がインターネットを利用していることになるという。英語が公用語ということもあり、欧米系サイトの利用率が高く、Facebook利用者は6000万人を超えて世界第3位となっている。マイクロアドでは今後、「MicroAd BLADE」のサービス提供と共にインド国内のアドテクノロジー市場の発展に努め、2013年9月末までに導入社数250社を目指す方針だ。
2020年前後には、世界最多の人口を擁することになると予測されるインドには、中国や韓国、また欧米の企業も積極的な進出を行っており、まだまだ日本は遅れを取っているのが現状だ。在インド日本国大使館が昨年10月に発表したインドに進出している日系企業リストによると、インドの日系企業数は前年比114社増の926社だという。中国や韓国への企業進出が鈍化している今、インドへ拠点を置く日本企業が増加することは間違いないだろう。(編集担当:宮園奈美)