財務省は厚生労働省が行っている生活保護受給者などの就労自立促進事業について、特に就労が可能と考えられる『その他の世帯』への対策に「就職率や定着率の向上を図るため、介護分野など人手不足業種での就労支援を強化すべき」などとする改善を求めた。事業には27年度に63億円。28年度に62億円を充てている。
財務省は事業の必要性や有効性について調べた結果「事業の支援対象者数や就職件数は、事業開始以降、着実に伸びが見られるが、生活保護世帯の中でも就労可能と考えられる『その他の世帯』数は依然高い水準にある」としており『その他の世帯』での就労促進を強化するよう求めている。
特に『その他の世帯』の減少につながる支援を行っている労働局が13局に止まっていることも指摘。「大都市圏での取り組み強化が特に必要で、この事業と自治体の就労支援の対象者数やその就労・増収者数を都道府県別に見ると自治体とハローワークの連携不足も考えられる」として「更なる連携強化が必要」としている。
具体的には「自治体とハローワークの役割分担を明確化した上で、体制面・業務面で密接に連携し効果的・効率的な就労支援に取り組むべきで、福祉事務所に常設窓口を設置する支援を着実に進めるとともに、生活保護受給者を雇い入れる事業者へのインセンティブ付与や軽作業の切り出し等の雇用管理手法の確立・普及を図るべき」としている。(編集担当:森高龍二)