安川電機<6506>がロボット導入を用意にするパスプランニング機能を開発したと発表した。ロボットの動作開始と終了姿勢、動作生成条件を「MotoSimEG-VRC」上で入力すると、周辺障害物を回避した軌道が自動で生成される。これによって産業用ロボットに動作を学習させる「ティーチング」の時間を削減でき、スピーディーで効率的な生産システムのセットアップや段取り替えが実現するという。
生成された軌道は、同社のロボットプログラミング言語で動き、高速・高精度なプレイバックが可能だ。障害物との干渉回避にとどまらず、障害物との間に任意の空間を保障しつつ、タクトタイムの短い動作を素早く生成するため、実際の環境とシミュレーション環境に誤差がある場合も安心してプレイバックできる。
搬送については、把持した対象物の姿勢を一定にキープした軌道を生成できるため、液体を入れた容器も運ぶ時にも活躍する。また、ティーチングが困難な双腕ロボットも、左右のアームが接触しないような軌道を簡単に生成できるという。
このパスプランニング機能を開発した安川電機は、福岡県北九州市八幡西区に本社を置くメーカーである。明治鉱業を興した安川敬一郎により、1915年(大正4年)に設立。AVサーボドライブ、インバータ、産業用ロボットの世界シェア1位を誇り、トップメーカーの地位を築いた。
84年にAVサーボドライブを市場投入して以来、ACサーボモータの累計出荷台数が1,000万台を突破。74年には世界初のインバータを発売して以来、業界で初めて累計出荷台数が1,000万台を超えた。さらに、77年には日本初の全電気式産業用ロボット「MOTOMAN(モートマン)」を発表以来、国内外の産業用ロボット市場を牽引。ついに累計出荷台数が30万台を突破し、トップを走り続けている。
同社は創業以来、技術革新への挑戦を続けてきた。自動車をはじめとする製造分野にとどまらず、医療や介護・福祉、生活支援などのサービスロボット市場の急成長が見込まれる中、同社の動向にますます目が離せない。(編集担当:久保田雄城)