厚労省が今月開いた社会保障審議会生活保護基準部会で示した65歳以上の生活保護受給者年金受給状況・就労状況資料で、65歳以上の生活保護受給者92万4979人のうち、48万2707人、率にして52.2%が無年金者であることが分かった。データは平成26年7月末現在での特別集計としている。
それによると、年金受給者でも年金の平均受給額は1人当たり月額4万7162円。1万円未満の人が2万7322人おり、3万円未満では14万3490人にのぼった。何らかの事情で年金受給資格を得るまでの期間、年金を掛けることができなかったとみられ、命をつなぐセーフティネットとして、生活保護制度の重要性を浮き彫りにした。
一方、65歳以上の生活保護受給者で就労している人は3万6039人、全体の3・9%いた。75歳以上の就労も6041人いる。
職種別では正規職員などでの就労が1433人で就労者全体の4%。パート・アルバイトが2万1398人で59.3%を占めた。派遣社員は692人、契約社員や委託が1067人。その他が1万1449人だった。
1世帯当たりの最低生活費は平成26年時点で平均12万4911円。保護決定での内訳では3万6460円の収入があると認定され、そのうち4010円は就労に必要な経費として控除され、収入充当額は3万2450円。この結果、扶助額は9万3025円になっていた。(編集担当:森高龍二)