三菱電機が、メガワット級の太陽光発電システムや風力発電システムのパワーコンディショナーなどの電力変換装置向けのIGBTモジュールMPDシリーズ(大容量2素子入のパワーモジュール)の新製品として第6世代IGBTチップを搭載した3製品を発表。メガワット級の太陽光・風力発電システムの電力変換装置の小型・効率化に貢献するものとして、5月31日から発売する。
発表された新製品は、キャリア蓄積効果を利用した三菱電機独自のIGBTである第6世代CSTBTを採用し、コレクタ・エミッタ間飽和電圧を従来品である第5世代IGBTモジュール比約15%低減。ゲート容量も同比約30~50%低減しているという。また、最大接合温度定格を175℃と同比で25℃向上し、電力変換装置の小型化に貢献するものとなっている。さらに、現行機種との互換性を確保し、置き換えが可能であり、絶縁耐電圧4000Vと従来比14%~60%向上している。
再生可能エネルギーを活用した大規模な発電システムの建設が進められ、それに伴い活気づいているパワーコンディショナーをはじめとするパワー半導体市場。半導体市場においては、スマートフォンやタブレットPCなどに関連する製品の市場についで、今後の市場拡大が期待される市場である。半導体市場において低落してしまった日本企業。その起死回生のチャンスが、このパワー半導体市場には存在するであろう。今度こそ他国企業に押されぬよう、万全の戦略をもって市場を牽引していくことを期待したい。