スポーツトレーニングジムなどの施設向けに、株式会社システムディが、アンチエージングサービス「Weldy Cloud(ウェルディ・クラウド)」の機能と一環として「SRソフトビジョン」を使った姿勢測定インターフェイスデバイスを開発。トレーナーは「SRソフトビジョン」の上に立ったメンバーをタブレットカメラで撮影、体幹の測定を行なう
住友理工が提供する「SRソフトビジョン」とは、スマートラバー(SR)技術を活用した面状圧力分布センサーだ。
「SRソフトビジョン」はゴム製の柔らかいシート状のセンサーで、介護用ベッドや車椅子利用者の体圧分布を測定し、利用者に合ったベッド用マットレスや車椅子シートクッションの製造に役立てている。実際に使用している介護施設や病院関係者などは、「勘に頼らず、機器を用いて正確に体圧を測定することにより、床ずれ管理やシーティング指導など介護・リハビリの質が上がった」と高く評価されているセンサーだ。住友理工は、このSRソフトビジョンで次世代福祉機器開発を加速させている。
今回、その「SRソフトビジョン」を活用して、スポーツトレーニングジムなどの施設向けに、京都に本拠を置くソフトハウスの株式会社システムディが、アンチエージングサービス「Weldy Cloud(ウェルディ・クラウド)」機能の一環として姿勢測定インターフェイスデバイスを開発した。
システムディはスポーツジムなどの業種向けアプリケーションパッケージの開発・販売に特化するIT企業であり、対象業種ごとのニーズに合った最新のソリューションを提供している個性派組織である。
アンチエージングサービス「Weldy Cloud」は、スポーツジムなどの施設利用者に合わせて個別運動プログラムを提案し、施設のトレーナーと利用者を結ぶトータルサービスを提供する。施設利用者の活動状況にあわせトレーニングプログラムなどを作成提供するスポーツジムの高度な顧客管理システムといえる。
新たにシステムディが開発した「Weldy Cloud(ウェルディ・クラウド)」の一環である「体幹バランス測定システム」は、タブレットカメラによる姿勢撮影とともに、住友理工の「SRソフトビジョン」を使うことで利用者の足圧分布を計測し、身体バランスを可視化する。身体の傾きや重心の異常、身体の歪みなどを具体的に示し、以降の効果的なトレーニングにつなげようというシステムだ。
この「体幹バランス測定システム」をいち早く導入してユーザーに高い評価を得ているスポーツ施設が千葉市の「ヴェルディ・スポーツプラザ おゆみの」だ。同施設は,トレーニングジムとプール、スタジオを持つごく一般的なウエルネスジム。同スポーツプラザの統括支配人の稲垣優氏によると「5年前にジムとして“身体の姿勢・バランス”に着目して『ライフバランス』をコンセプトに掲げ、システムディが提案する「Weldy Cloud」を導入」した。そのひとつとして新たに加えた「体幹バランス測定システム」が目新しさも手伝って「会員ユーザーに好意的に受け入れられている」という。
稲垣氏は、話のなかで「バランス測定システム」が奏功したトレーニング例として、千葉県内の高校チアリーディング部を挙げた。部員全員の姿勢・足圧測定で個々選手の体躯バランスを測定。個々の選手に結果を示し、以降のトレーニングに活用したところ、部員全員の飛躍的な姿勢バランス精度向上が見られたという。
システムディの取締約である本庄英三氏によれば、「現在、国内のフィットネスクラブは2500軒規模で安定している。全体の売上は4200億円規模のマーケットだ。会員数は全国320万人と言われ、75%が50歳以上だ」という。「業界全体としてメンバーは1年間で半数以上退会(月間で4%程度)するものの、会員数が維持できている不思議な市場ともいえる」とも。
こうした流動的な業界にあって、「Weldy Cloud」を導入する「ヴェルディ・スポーツプラザ」の月間退会率は、業界の半分、2%でしかない」と本庄氏。理由は、「Weldy Cloud」を常に見直して「バランス測定システム」のような新しい機能要素を追加して“顧客を飽きさせない工夫”が奏功しているようなのだ。
前出の支配人・稲垣氏によると“Weldy Cloud”の機能全般としてメンバーの興味を維持する工夫とセットで考えていきたい。バランス測定システムは、まだまだ発展途上のシステム」だという。(編集担当:吉田恒)