インド政府が主催する「国際ヨガの日」イベントが6月19日(日)、東京で開催された。今年で第2回目となるこのイベントは「1000人でヨガを楽しむ」ことを掲げていて、ヨガによって世界平和を創造することを目的としている。このイベントでは在日インド大使館のヨガ指導者ヨギ・ラヴィ・ヴェンパティ氏の指導のもと伝統的なインドのヨガが体験できたようだ。東京でのイベントの協力団体としてはヨガ、アーユルヴェーダ、超越瞑想の普及を目的としているマハリシ総合教育研究所が務め、30名以上の国会議員や市長からもイベントへの賛同を得ている。
東京以外でも世界各地で「国際ヨガの日」にちなんだイベントが開催されており、インドはもちろんメキシコ市やベラルーシの首都ミンクスでも大規模なイベントが開催され、日本でも大阪城西の丸庭園に約700人が集まってヨガや瞑想を楽しんだ。
「国際ヨガの日(6月21日)」はインドのナレンドラ・モディ首相の提案を受け2014年に国連が制定した。モディ首相は実生活でもヨガを愛し実践していることは有名だが、「国際ヨガの日」以外にもヨガ大臣やアーユルヴェーダ省を創設するなど、ヨガを積極的に活用した政策を展開している。現在もヨガを世界遺産にするようユネスコに働きかけており、ヨガを通してインド文化を強く世界に発信していく姿勢を示している。
インドで4500年前に生まれたとされるヨガだが、現在若者を中心に行われているヨガは米国でアレンジが加えられたエクササイズ色の強いものだ。米国では空前のヨガブームが続いており、調査会社イソプスによれば米国でのヨガ人口は約3700万人で3年前から2000万人の増加が見られ米国だけで1.8兆円規模の産業とのこと。日本でスポーツジムなどを中心に広がっているヨガもアメリカ発のヨガが大半を占める。
モディ首相はこうした現状に危機感を覚えているのではないか。心身の健康にとって恩恵があり、世界の調和を図るヨガをインドに取り戻し、伝統的なヨガを通して世界に影響力を与えていく意図があると見られる。(編集担当:久保田雄城)