政府が沖縄の米軍基地負担軽減のため急ぐとして、地元民らの激しい反対運動の中、国頭村、東村の米軍北部訓練場にヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)建設を再開したが、沖縄の負担軽減が目的でなく、狙いは基地機能の強化、集約にあり、ペリパッド6基が完成すれば訓練場の約4000ヘクタールが返還されるとの説明は実際には「訓練に適さない不要の土地であることが分かった」と沖縄の地元紙や共産の機関紙が26日報じた。
根拠について「米海兵隊がアジア太平洋地域の基地運用構想をまとめた報告書『戦略展望2025』の中の記述」としている。
共産党機関紙によると「報告書は『約51%が使用できない北部訓練場を日本政府に返還する一方、利用可能な訓練場所を新たに設けることで、限られた土地を最大限に活用できるようになる』と運用の効率化が増すことを強調している」としている。
また「北部訓練場の『過半』返還は計6カ所のヘリパッド新設が条件となっており、日本政府の財政負担によって『使用できない』訓練場が効率的なものへと更新されることになる」と報じた。
この問題は、防衛省沖縄防衛局が今月22日、米軍ヘリパッドの建設工事を再開したもので、計画6か所のうち、2か所はすでに完成し、オスプレイの訓練などで運用が始まっている。
菅義偉官房長官や中谷元防衛大臣は記者会見で、ヘリパッド建設が米軍北部訓練場の半分以上の返還の条件になっており、返還されれば沖縄基地面積の2割近くの減になるので、早期返還をはかるために完成を急ぎたいと強調していた。政府の説明と今回の『戦略展望2025』の記述とでは明らかに狙い、目的が違う。政府が沖縄や日本国民の理解を得る狙いで、表現をすり替えて説明しているとも受け取れ、国会での議論が待たれることになる。(編集担当:森高龍二)