ヘリパッド建設 政府は地元民に寄り添う姿勢で

2016年07月30日 10:13

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沖縄と政府の対立が日ごとに強まっている。沖縄・米軍北部訓練場のヘリパッド建設工事を政府が強硬にすすめようとしていることが原因だ

 沖縄と政府の対立が日ごとに強まっている。沖縄・米軍北部訓練場のヘリパッド建設工事を政府が強硬にすすめようとしていることが原因だ。

 沖縄防衛局は建設に反対する住民らのテントに撤去を求める警告文を張り付け「撤去もなく、名乗り出ることもなかった」と所有者が所有権を放棄と解釈し、事実上の強制撤去に動き出した。

 反対住民らは国の姿勢に怒り、8月5日、緊急抗議集会を開くという。先立つ2日には抗議集会を応援する国会議員らも参加し参院会館講堂で集会を計画している。米軍基地をめぐる国の対応が沖縄県民の国政への不信感を深めることになりかねない。国の安全、日米同盟のためには一部の国民の声など聴いている時間はないとも映る国の対応が問われている。

 ヘリパッド建設への工事は22日から始まった。政府は、ヘリパッド建設は「完成すれば米軍北部訓練場の過半(7500ヘクタールのうち4000ヘクタール)が返還され、沖縄に占める米軍基地の2割以上の面積が減少するので、負担軽減になる。早期にヘリパッドを完成させたい」と全体で6基のヘリパッドのうち、完成していない4基について早期完成を目指すとする。

 中谷元防衛大臣は「地元・東村、国頭村からも跡地利用の有効活用として早期に返還を要請いただいている」とし、そのためにも、ヘリパッドを完成させなければならないと言いたげな論法。

 政府説明には常に「沖縄の負担軽減」があがる。普天間飛行場の名護市辺野古への代替基地建設も「沖縄の負担軽減、普天間の危険の除去」が前面に出る。

 そうではなく、米国の要望に沿った基地の集約・基地機能の強化のための事業ではないのかという大きな疑問が一方で提起されてくる。

 今回のヘリパッドも、米海兵隊がアジア太平洋地域の基地運用構想をまとめた報告書『戦略展望2025』の中で『約51%が使用できない北部訓練場を日本政府に返還する一方、利用可能な訓練場所を新たに設けることで、限られた土地を最大限に活用できるようになる』とあり、『過半』返還は『6カ所のヘリパッド新設が条件』になった。

 これに、共産党は「日本政府の財政負担によって『使用できない』訓練場が効率的なものへ更新されることになる」と指摘する。

 地元村議の伊佐真次氏は共産党の機関紙で「27日に訓練場の調査で、海兵隊中尉から説明を受けた」とし「新たに造る着陸帯のうち海に最も近いG地区で、ヘリから特殊偵察部隊を海上に降ろし、自力でボートを出して上陸するビーチアクセスという訓練をやりたいと言っていた。既存の着陸帯の多くは小さく、使い勝手が悪いとも話し、本当の狙いは基地機能の強化。日夜、オスプレイが集落を飛び回り、住民が住めない状況にして何が負担軽減か」と怒りを隠せないようす。

 沖縄選出の照屋寛徳衆院議員は「世界に誇る生物多様性に富み、貴重な動植物が存在するヤンバルの森を破壊し、米軍ヘリパッドを建設するのは許せない。しかも、すでに完成したヘリパッド2カ所を使用し、欠陥機オスプレイが飛行訓練を強行している。100人余の高江周辺住民はオスプレイの低周波騒音や昼夜を分かたぬ爆音に晒され、睡眠障害、健康障害を訴え、隣村に子どもを連れて疎開している者もおるとのこと」と深刻な状況を示す。

 こうした住民の不安や思いに耳を傾け、沖縄県民に寄り添って取り組む姿勢こそ政府に必要だ。

 まず、疑われている米海兵隊の「戦略展望2025」に沿った事業ではないかとの疑問に正直に答える必要がある。次に、オスプレイの効率的な訓練場を確保するためのヘリパッドなのか、そうではないのか。住環境の破壊、自然環境への影響がどの程度に収まるのか、沖縄県民だけでなく、国会の場で国民に詳細を説明することが必要だろう。そして、なにより、説明がつくまで、工事は停止させる誠実な姿勢をとるべきだ。政府は沖縄県民に寄り添う姿勢を具体的に示すことから始めなければならない。それが解決に向けた近道になる。(編集担当:森高龍二)