将来の成長を担う、カンボジアへの教育支援事業とは

2012年05月01日 11:00

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山田養蜂場は2008年から教育支援活動として毎年一校、カンボジアでの学校建設・寄贈を行っており、今年3月21日に寄贈式が行われた新校舎の寄贈が4校目となる。

 カンボジアは日本同様の6・3・3制で、中学生までが義務教育である。その就学率は小学校で約95%と高いが、中学校では約35%に低下。その半数以上の学生が中途退学している。日本では、TV番組の企画として取り上げられ、映画の題材にもなるなど、学校建設による支援が認知度を上げているが、昨年の震災により国内への支援が必要となっていることもあり、現在ではあまり耳にしなくなっている。

 こうした中、かねてからカンボジアでの学校設立支援の中核を担ってきたのが、NPO法人である。NPOやNGOによる活動は現在でも続けられており、認定NPO法人のJHP・学校をつくる会は1993年から活動を開始し、2012年2月には、278棟目の校舎が完成した。また、約10年前に建設支援を行った小学校の現状把握にも努めており、その報告もHPなどでなされているなど、アフターフォローも行っている。

 継続的にカンボジアの教育支援を続けている企業に山田養蜂場がある。山田養蜂場は2008年から教育支援活動として毎年一校、カンボジアでの学校建設・寄贈を行っており、今年3月21日に寄贈式が行われた新校舎の寄贈が4校目となる。「山田養蜂場ミツバチ第四中学校」と名付けられた新校舎には、ミツバチのように皆が仲良く、勤勉に学んでほしいという思いが込められているという。また、美術・音楽教育普及のために、音楽トレーニングやマーチングバンド指導、JHPが育成した教師が授業を行っている学校に対して教材の支援を行っているなど、ハコモノだけの支援ではなく、現地の力で実際に教育活動を継続していくための支援も行っている。

 人口が1410万人と少なく、市場が小さいと言われるカンボジア。周辺諸国と同様に経済成長はしているものの、他国と比べるとその成長率は低い。しかし、外資参入規制が特になく、優遇税制などの策もあり、今後は外資の進出及び経済成長が加速すると予想されている。日系企業では、イオンモール が現地法人を設立し、14年までにプノンペン市内で外資系として初の本格的なショッピングモールの開業を予定するなど、さらなる成長に向けて各企業が動き出している。その成長を担うのが今の子どもたちであろう。現在ではボランティアなどの慈善に頼る教育支援が主であるが、将来への投資として、学校や圧倒的に不足している教師の育成に、事業戦略として企業が投資するといった動きが活発化しても良いのではないだろうか。