特化型キュレーションメディア 上位4メディアで1年以内に利用者数3倍に

2016年08月09日 12:27

 視聴行動分析サービスを提供するニールセンは、キュレーションメディアのなかでも特定のジャンルやターゲットを設定した「特化型キュレーションメディア」の利用者状況について、2016年6月度のデータをもとに分析した。分析結果によれば利用者数1位はヘルスケア情報特化型の「welq(ウェルク)」(631万人)、2位は10~20代女性をターゲットにした「MERY(メリー)」(610万人)、3位は大人の女性をターゲットにした「LAUGHY(ラフィ)」、以下旅キュレーションメディアの「Find Travel(ファインドトラベル)」、「RETRIP(リトリップ)」となった。上位5メディアのうち「welq」、「MERY」、「Find Travel」はDeNAが運営している。

 利用者数1位の「welq」は昨年10月の運営開始以降利用者数を急速に伸ばしており、直近3ケ月で2倍以上の増加となっている。また、3位以下の「LAUGHY」、「Find Travel」、「RETRIP」は前年同月比で3倍以上利用者数が伸びている。ネット行動分析サービスを提供するヴァリューズの調査結果でも、2016年上半期のPCからのサイト訪問者数伸び率上位3位までが「Find Travel」、「LAUGHY」、「iemo(イエモ)」といった特化型キュレーションメディアとなっており、前年同期比はそれぞれ306.8%,274.0%、271.9%となった。このことからも近年の特化型キュレーションメディア人気の高まりがうかがえる。

 特化型キュレーションメディアは、旅や家具、ヘルスケア、ファッションといった特定のまとめ情報を掲載するだけでなく、サイトやアプリ内から、ファッションアイテムが直接購入できたりサービスの予約ができたりといった機能を持つメディアもあり、即時的な疑問の解決手段となることや欲しい情報の習得できることに加え、選択の手間を省いてくれる利便性が利用者のニーズにマッチし、多大な訪問者数獲得につながっていると考えられる。マネタイズモデルとしても、広告収入以外にもコマースでの収入を持つメディアも登場していきている。

 急伸長する特化型キュレーションメディアだが、上位メディアのほとんどがここ2~3年以内に出てきており、特定利用者層を中心に今後さらに受け入れられていくと考えられる。大小さまざまなキュレーションメディアが乱立するなか、常に要望を先回りしたコンテンツが提供し続けられるかが利用者獲得の鍵となる。(編集担当:久保田雄城)