【今週の振り返り】日銀買いが円高に勝ち665円上昇したSQ週

2016年08月14日 09:00

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8月はその威力が倍加した日銀のETF買い。「兜町に撃ち込め707億円砲」の存在は、SQ週の鬼にも、為替の円高にも打ち勝った。保有すると抑止力になる。それが最終兵器。

 12日の日経平均は大幅反発。10日のNYダウは原油安を嫌気して37ドル安。10日のCME先物清算値は16680円。大阪夜間取引終値は16650円。11日のNYダウは大幅反発して117ドル高でNASDAQ、S&P500とともに史上最高値を更新した。43ドル台まで上昇した原油先物価格、メーシーズ、コールズをはじめとする小売業の決算など、好材料が揃った。11日のCME先物清算値は16860円。大阪先物夜間取引は休場。10日のNY時間、ドル円が一時100円台まで円高が進行したが、12日朝方の為替レートはドル円が102円近辺、ユーロ円が113円台半ば。

 日経平均始値は142円高の16877円。高値は1時36分の16943円。安値は9時1分の16818円。終値は184円高の16919円。祝日明け、連休の谷間で売り買いは閑散。マイナーSQ(オプションSQ)の日で、算出されたSQ値は16926円と、意外に高い。序盤の日経平均は16800円台後半で始まり、16900円はタッチするだけでSQ値に届かず、凶兆といわれるSQ日の値動きの上につく「まぼろしのSQ」を消せない。四国電力<9507>が伊方原発3号機を再稼働させ株価上昇。為替は動かず、10時台も11時台も16800円台後半のボックスにはまって上に抜けられないまま、前引けは121円高の16856円。後場もそのボックス内で始まり、1時台に16900円を超えて高値を取ってもSQ値までは上がらず、まぼろしのまま16900円前後の小動きが続く。しかし1時台後半に16943円まで上昇してやっと「まぼろしのSQ」を消せた。2時台は16900円台前半の小動きで推移し、終盤もそのままフィニッシュした。日経平均に比べるとTOPIXは出遅れていた。

 日経平均終値は184.80円高の16919.92円、TOPIX終値は+8.39の1323.22。売買高は17億株、売買代金は2兆1364億円。値上がり銘柄数は1268、値下がり銘柄数は600。プラスは26業種で、その上位は電気・ガス、水産・農林、サービス、小売、医薬品、パルプ・紙など。建設、ガラス・土石の2業種がプラスマイナスゼロ。マイナスは銀行、その他製品、陸運、空運、鉄鋼の5業種。上海総合指数は1.59%高だった。

 今週の星取は3勝1敗。前週末5日の終値16254.45円から665.47円上昇して今週の取引を終えた。7月の追加金融緩和で、8月4日から日銀のETF買いの1回あたりの金額がほぼ倍の707億円になった。「前場がマイナスだったら後場、日銀が707億円を撃ち込んでくる」と、マーケットはそれを意識せざるを得なくなっている。それが仕掛け売りに対して抑止力の効果を発揮していた。(編集担当:寺尾淳)