捜査幹部自ら検討し指揮せよ 捜査のカメラ撮影

2016年09月01日 05:48

 参院選挙公示前に大分県警別府署員が現職・野党候補を支援する連合大分東部地域協議会などの入った建物敷地内に無断で立ち入り、樹木などにカメラ2台を設置して人の出入りを隠し撮りしていた問題で、警察庁刑事局刑事企画課長が警察庁刑事部長や都道府県警察本部長に対し「捜査用カメラの適正使用の徹底」通達を31日までに出した。

 隠し撮りなどカメラの扱いをより慎重にするよう指示したもので、隠し撮りは捜査上、避けられないと是認する内容でもある。

 そのうえで、撮影の具体的目的、必要性、撮影方法の相当性など『可能な限り子細に検討したうえで実施し、撮影の継続の必要性についても随時検討するように』と捜査上の必要最小限にとどめるべきことを提起している

 また、捜査幹部はカメラ使用の(1)『許容性確認の徹底』(2)『設置個所などの確認』を捜査員の報告のみに基づいて指揮することなく「自ら報告書や図面、その他資料を点検し、十分検討のうえ、具体的な捜査指揮を行うよう」にと求めた。

 一方、国民が最も懸念する自由な政治活動に対する違法・不当な干渉行為にならないことへの対策、今回のケースでは建物に出入りしていた人たちへのプライバシーの侵害にならなかったのか、こうした視点への指示が見えない内容だった。

 また「捜査の秘匿に留意の上で、カメラの設置、土地への立ち入りには土地管理者の承諾を得ること」も当然のことながら、指示出ししている。(編集担当:森高龍二)