長年にわたり血液製剤を不正製造し、発覚を回避するため虚偽の製造記録を組織的に行ってきたとして、厚労省は一般財団法人化学及血清療法研究所に対し、事業継続せず、他の企業への事業譲渡を求めていたが、化血研が継続を希望していることに対し、塩崎恭久厚労大臣は「化血研としての医薬品製造販売業の継続を前提としない、体制の抜本的見直しを1月からずっと求め、事業譲渡を行うよう指導してきた」と強く反発した。
塩崎大臣は「化血研が自ら何をして、このような事態になっているかを胸に手をあて考えていただいた方がいいのではないか」とし「40年にわたって薬事制度の根幹を揺るがす極めて悪質な行為を続けてきたわけであり、製造販売業許可の取消に相当するということは冒頭からも言ってきた。化血研に対する指導をきっちり継続していく」とした。事業存続はあり得ない、薬事制度を揺るがす重大行為であることを強く示した。
化血研はHPで「2017年4月入所予定の新卒採用活動について実施しないことを決定いたしました。弊所に興味を持っていただいたにもかかわらず、ご期待に添えないことをお詫びいたします。皆さまの就職活動のご成功を心よりお祈り申し上げます」と新卒採用見送りを掲載している。
一方で「医薬品製造販売業者として信頼に足る企業となるべく、経営体制、企業文化、信頼性保証体制、医薬品の品質システム等の整備、構築を果たします」と事業継続への姿勢を滲ませている。
血液製剤の不正製造は、化血研が社外の第3者ばかりで構成した第三者委員会による報告でも、1974年ころから行われ、1998年ころまでに発覚回避のために、あたかも承認書に沿って製造しているかのような虚偽の製造記録を組織的に作成するなど、各種の隠ぺい行為に及ぶようになった、などと指摘されていた。(編集担当:森高龍二)