安倍晋三総理は26日召集の国会での所信表明演説で、北朝鮮を彷彿させるような異様な光景が出現した。生活の党の小沢一郎共同代表は「北朝鮮か、中国共産党のような感じで、ますます不安を感じた」と心配そうに語った。「日本の議会では見られないと思っていた」と愕然とした。
安倍総理は演説中に議場から「今この瞬間も、海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が、任務に当たっています。その彼らに対し、今この場所から心からの敬意を表そうではありませんか」と自衛隊への拍手を11秒間も続けた。これに自民党議席から呼応するように起立して拍手が続き、議長が「ご着席下さい」と着席を促す事態となった。
粛々と議論する場が、安倍総理と自民党による自衛隊へのパフォーマンスの場のようになり、議会運営上、課題を残すものとなった。
安倍総理は「我が国の領土、領海、領空は、断固として守り抜く。強い決意を持って守り抜くことを、お誓い申し上げます」と演説し、続けて「現場では、夜を徹して、そして、今この瞬間も、海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が、任務に当たっています。極度の緊張感に耐えながら、強い責任感と誇りを持って、任務を全うする。その彼らに対し、今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」と促し、演説を止め、拍手を送り始めた。10秒を超える拍手となった。自民党席からは15秒近く、拍手が続いた。
公務員としての任にあたっているのであって、敬意を表するかどうか個々人が評するものであり、総理が「所信表明演説」で語ったとしても、10秒以上演説を止め、拍手を要請するものではない。広告代理店絡みの演出かと勘繰りたくなるような手法は厳粛な議場で避けた方が良い。
生活の党の小沢一郎代表は記者会見で記者団の質問に答え「議場で自民党議員が起立し、拍手し、本人(総理)も拍手している光景は異様な光景で、今日の政府の姿勢と、それが国民に受け入れられるとすれば、国民と日本社会の異常性をちょっと感じた。ああいうことは、日本の議会では見られないと思っていた。北朝鮮か、中国共産党のような感じで、ますます不安を感じた。心配している」と憂慮した。(編集担当:森高龍二)