国債頼みも財政収支の2020年目標揺るぎない

2016年09月26日 10:17

 臨時国会はきょう26日から11月30日までの66日間の会期でスタート。一般会計3兆2800億円の補正予算案はじめ、TPP、安保法制にかかる南スーダンPKO活動での自衛隊に対する『駆けつけ警護』や「宿営地の共同防護」など新任務を付与するのかどうかも含めた論戦、憲法改正をどうするのか、また沖縄問題、北朝鮮問題、日韓での軍事情報包括保護協定や尖閣諸島沖問題など外交でも活発な議論が予想される。

 このうち、補正予算については、約44%は熊本地震や東日本大震災からの復興などへの関係費用(1兆4389億円)になっている。財源については建設国債で2兆7500億円を賄う格好。

 民進党の野田佳彦幹事長(前総理)は、この補正予算の内容が経済再生につながる内容かと25日のNHK番組で問われ「基本的にそうではない」との認識を示した。「金融政策が明らかに手詰まりになっているので、財政出動せざるを得なくなっている。そのための補正になっている」とした。

 野田幹事長は「民間主導の経済成長になかなかできないところに問題があるのだが、これに答える内容ではない」と補正予算の内容に課題を唱えた。また。財源についても「建設国債も借金なので、財源のほとんどを借金に頼っており、この点もきちんとチェックしていかなければならない」と語った。

 自民党の二階俊博幹事長は「今の経済状況を何としても打開していかなければいけない。これに答えるために、積極的に取り組むため、多少借金しても、将来責任を持てる範囲を考えながら、しっかりやっていかなければいけない」と2020年に基礎的財政収支を黒字化する「プライマリーバランス」を見据えた範囲での借金はやむを得ないとの考えを示した。

 これに、野田幹事長は「来年度の概算要求をみても、財政規律が緩んできており、プライマリーバランス目標達成は極めて困難になる」と懸念した。

 二階幹事長は「2020年に達成へ、一歩も揺るぎないようにしていく」と答えた。(編集担当:森高龍二)