【今週の振り返り】連日の3ケタの上げ下げの末304円下落した週

2016年10月01日 08:58

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薄商い、株価低迷が続いた東京市場も、OPECの8年ぶりの増産凍結合意で、渋かった海外投資家の気前が良くなった。だが、伏魔殿?ドイツ銀行が水をかける。

 日経平均は200円を超えるマイナスで16500円を割り込んでスタート。ドイツ銀行はヘッジファンド資金引き揚げの話も出て何が飛び出すかわからない「伏魔殿」と化し、ヨーロッパの金融不安が暗くのしかかる。リスクオフのためメガバンクなど金融セクターが大幅安でTOPIXのほうが下落幅が大きく、経済指標も平均株価を押し上げるには力不足。前場の下落は16400円台でなんとか踏みとどまり、後は16400円台前半で静かに推移する。ドル円は101円を何度も割り込む円高傾向。前引けは258円安で、日銀のETF買いの条件を十分に満たした。

 昼休み、正午に突発的な円安進行局面。原因は不明だが月末要因か? 後場は日銀買いの効果もあるのか16400円台後半の水準で再開し、0時台は16500円にあと3円まで迫る。1時に8月の自動車生産・輸出実績が発表され、生産は+8.83%で3ヵ月ぶりの増加。輸出台数も+1.5%増で2ヵ月ぶりの増加。しかし為替が円高方向に戻り、1時台の日経平均は16400円台半ばまで水準を下げる。2時に8月の新設住宅着工件数が発表され+2.5%。貸家は+9.9%だがマンションなど分譲住宅が-12.7%と悪い。2時台は再び16500円に迫る時間帯もあったが、終盤は「利益確定売りの金曜日」が中間期末の「ドレッシング買い」を蹴散らして下落し、16400円台のちょうど半ばのところで終了した。日中値幅は90円と小さかった。

 新規IPOが1件。飲食店など店舗型サービスを展開する企業への経営サポート事業の他、うな丼チェーン「名代・宇奈とと」を運営するG-FACTORY<3474>が東証マザーズに新規上場。公開価格3240円より54.3%高い5000円の初値がついた。

 今週5件あった新規IPOの星取は秋場所の大関豪栄道と同じく全勝。9月場所は初日2日のベイカレント・コンサルティング<6532>でいきなり土がついたが、その後は9連勝して9勝1敗の好成績。初日は「上場ゴール批判」にさらされて審査を厳格化したはずの東証の審判団も、魔がさしたのか?

 日経平均終値は243.87円安の16449.84円、TOPIX終値は-20.47の1322.78。売買高は18億株、売買代金は2兆461億円。値上がり銘柄数は256、値下がり銘柄数は1658。プラスは石油・石炭、不動産、鉱業の3業種。マイナスは30業種で、その下位は電気・ガス、海運、その他金融、パルプ・紙、銀行、非鉄金属など。上海総合指数は0.20%高だった。

 今週の星取は2勝3敗。前週末23日の終値16754.02円から304.18円下落して今週の取引を終えた。-209円、+139円、-218円、+228円、-243円と、連日3ケタの上げ下げで「スコアの出入りが激しい」東京市場だった。

 9月の取引も全て終了し、8月31日の終値16887.40円から437.56円下落して今月の取引を終えた。英国の国民投票の「EU離脱」の結果で1659円下落した6月以来、3ヵ月ぶりのマイナスになった。

 10月の取引は来週3日からのいわゆる「三日新甫」で、「二日新甫、三日新甫は相場が荒れる」「三日新甫は二日新甫よりもっと荒れる」というアノマリーがある。もっとも「荒れるほうが面白い」と思っている投資家にとっては、チャンスなのかもしれない。(編集担当:寺尾淳)