平和条約「4島帰属問題解決し締結が全て」総理

2016年10月04日 08:11

 北方領土問題と日露平和条約締結の課題が3日の衆院予算委員会で取り上げられた。岸田文雄外務大臣は、北方4島(歯舞・色丹・国後・択捉)について「4島は『日本固有の領土』というのは、日本が従来から明らかにしてきた日本の立場」と日本の立場との表現を用いたうえで、「平和条約締結交渉においては『4島の帰属を明らかにし』平和条約を締結するとなっており、従来から変わっていない」と答えた。

これは、平和条約締結交渉の中で、4島の帰属がどこにあるのか、明確にしたうえで、条約締結をすることにはなっているが、4島が日本の領土であることを明確にしたうえでととれる表現ではなく、4島の帰属問題が日露間において、微妙な課題であることを強くうかがわせた。

 民進党の前原誠司元外務大臣の質問に答えた。前原衆院議員は2島(歯舞・色丹)の先行返還論があるが、2島返還後に残りの2島(国後・択捉)返還の議論などあり得ない。永久に返ってこないとしたほか、4島のうち2島の返還といえば、数字の上で半分だが、4島全体の面積の内、2島(歯舞・色丹)が占める面積は7%に過ぎないとも指摘し、2島先行返還のテーブルにはのるべきでない旨を政府に提示した。

安倍晋三総理は「北方領土は日本固有の領土であるとの日本の立場があり、平和条約締結においては、4島の帰属問題を解決して、平和条約を締結する。これが全てであり、これ以上、我々(政府)として、付け加えることはない」と答えた。(編集担当:森高龍二)