三菱自、遂にJリーグ「浦和レッズ」株売却へ。Jリーグ株保有規則を受けて

2016年10月11日 06:51

 燃費不正問題で揺れる三菱自動車は今春、日産自動車の支援を受けると報道された。その時から既に噂に上っていたサッカーJリーグの「浦和レッドダイヤモンズ」を手放すことになった。浦和レッズを運営する子会社の株式を売却する方針を固めたという。

 日産の支援計画どおりなら三菱自は、10月中に横浜F・マリノスの運営会社を傘下に持つ日産から34%の出資を受ける。浦和レッズ運営会社株を現在50.6%持つが、Jリーグは複数のクラブを子会社や関連会社とすることを禁止している。そのため三菱自の関連会社から浦和レッズをはずすために出資を20%未満に引き下げる。保有株は三菱重工業に売却するという。

 現在、三菱重工は浦和レッズに1%出資しており、今回の一件でその出資比率を引き上げる。浦和レッズは、もともと1950年に中日本重工業(現在の三菱重工業)サッカー部として創設され実業団チームだった。1990年に三菱自のサッカー部となり、Jリーグ発足時から同リーグに参加した名門だ。

 日産は横浜F・マリノスを運営する横浜F・マリノスの株式を70%超保有し、三菱自への出資でJリーグの規約に抵触する恐れがあったため、三菱自の浦和レッズ株保有問題が注目視されてきた。

 三菱自は、チームを運営する浦和レッドダイヤモンズの株式30%以上を売却する模様。金額は数億円程度とみられる。出資比率を20%未満に抑えて株主としては残る方針だが、今後の展開によっては、三菱重工に加え、地元やほかの三菱グループの企業が少額出資することもありそうだ。(編集担当:吉田恒)