新規IPOが1件。2011年に協和発酵(現・協和発酵キリン<4151>)の子会社の協和発酵ケミカルとケイジェイHDが合併して発足し、溶剤、可塑剤原料、冷凍機油原料など各種化学品の製造・販売を行うKHネオケム<4189>が東証1部に直接上場。公開価格1380円より5.36%安い1306円の初値がついて黒星。その後も下落する軟調な展開。投資家から「投資ファンド(日本産業パートナーズ)の出口戦略」呼ばわりされる宿命を背負い、公開価格は公募価格帯の下限1330円に近かった。「東証1部直接上場の初値の成績はよくない」というアノマリーをくつがえすことができず、JR九州<9142>の25日上場を前に後味の悪い上場初日だった。
日経平均終値は184.76円安の16840.00円、TOPIX終値は-14.00の1342.35。売買高は17億株、売買代金は1兆8761億円。値上がり銘柄数は326、値下がり銘柄数は1562。プラスは水産・農林1業種のみ。マイナスは32業種で、その下位は鉄鋼、銀行、海運、保険、金属製品、非鉄金属など。上海総合指数は0.22%安だった。
13日の日経平均は続落。ヨーロッパ市場は軒並み安。発表されたFOMC議事要旨は利上げについてかなり突っ込んだ議論をして紙一重で見送っていた。利上げできなかった理由は雇用指標の不透明さ。為替はドル高が進んだが株式市場の反応は限定的。イスタンブールでのOPECの再協議は結論が出ず、OPEC月報の内容を嫌気して原油先物価格は低下したが50ドルの大台は維持した。NYダウは15.54ドル高で小幅反発。NASDAQは小幅安、S&P500は小幅高。朝方の為替レートはドル円が104円台前半、ユーロ円が114円台後半と円安が急進。そのためCME先物清算値は16965円。大阪夜間取引終値は16960円。
日経平均始値は83円高の16923円。高値は9時39分の16974円。安値は0時33分の16739円。終値は65円安の16774円。日経平均始値は16923円で抑制気味。9時台のうちに17000円まであと26円まで接近するがタッチはできない。10時台の日経平均は少しずつ下げ、何とか保っていた16900円台も11時前から急落して割り込んでしまう。ドル円は104円台前半に張りついたままで、SQ週の「鬼門」の火曜、水曜は今月は珍しく無事に通過したと思ったら、木曜日になって時間差攻撃のように先物主導で「日経平均寄与度御三家」集中で仕掛け売りされるゲリラ急落に襲われ、マイナスになってしまう。人民元レートが6年1ヵ月ぶりの低水準まで急落し、中国の貿易統計の黒字も大幅減少で忘れていた中国リスクに足をすくわれたが、売り方のきっかけは何でもいいのだろう。
11時に9月末の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率が発表され、前月比0.20ポイント低下の3.70%。3ヵ月連続の改善。平均賃料も+0.08%で33カ月連続上昇。11時台はドル円が103円台後半まで円高が進行し、日経平均は高値から200円以上も安い16760円まで下げるが、前引けでは少し戻し65円安。前日は98円安でも発動しなかったから微妙でも、売り方は日銀のETF買いが入るかどうか、試そうともしているのだろうか?
昼休み、出光興産<5019>、昭和シェル石油<5002>が来年4月に予定していた合併を延期するという第一報。バッドニュースで後場下げ幅拡大、安値を更新して再開するが、すぐ反発し16800円にもタッチする。その後は16700円台後半で動きが止まる。日銀買い出動の思惑もあり、何度か16800円にタッチする。TOPIXもプラスに何度もタッチ。ドル円は103円台後半のまま動かない。1時30分に発表された8月の第三次産業活動指数は前月比横ばいの104.1でマイナスの市場予測を上回った。16700円台後半の水準が大引けまで続いて終了。TOPIXはごくわずかなマイナスで惜敗。久しぶりに「ゲリラ急落」一発に派手に倒された一日だった。前引けのTOPIXの下落が小さかったためか、日銀のETF買いはこの日も入らなかった。「助っ人」が来なかったら、ただやられるだけ。
前日大引け後、「トヨタ<7203>とスズキ<7269>が提携交渉入り」というニュースが飛び込んできた。しかし豊田社長によると「まだお見合い。何ができるのかこれから」の段階で、環境や安全やITでの技術提携など「お上品な話」ばかり先行し、資本提携やトヨタグループ入りやスズキの「貴重な財産」のインド事業やダイハツの処遇など「なまぐさい話」は後回し。株価はトヨタは12円高、スズキは77円高。お付き合いが「プラトニック」なうちは周囲は期待しながら静かに見守る。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)がVR(仮想現実)端末「プレイステーションVR(PSVR)」をこの日発売。ソニー<6758>は44円高で年初来高値更新。前日夕方に東京23区の城西、城北地域で35万軒の大停電を起こした東京電力HD<9501>は2円安。取り替え需要を見込んで電線関連銘柄が買われた。出光興産は59円安、昭和シェル石油は40円安だった。