3日の日経平均は反発。前週末9月30日のNYダウは164ドル高。ドイツ銀行の問題は、アメリカ司法省が罰金を140億ドルから54億ドルへ「信用不安で世界恐慌が起きると困るから、まけてやる」という話が出て、欧米市場はリスクオン。ドイツ銀行株はNY市場で14%上昇。ミシガン大学消費者信頼感指数も原油先物価格も堅調。CME先物清算値も大阪夜間取引終値も16560円。NYタイムズがトランプ候補が連邦所得税を18年間払っていなかった話をスクープ。合法的な節税対策も選挙では印象を悪くする。英国のメイ首相は保守党大会で「来年3月末までにEUに離脱を正式通告する」と述べた。3日朝方の為替レートはドル円が101円台前半、ユーロ円が113円台後半。
日経平均始値は116円高の16566円。高値は10時20分の16652円。安値は9時0分の16554円。終値は148円高の16598円。取引開始前に9月調査の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)が発表された。業況判断指数(DI)は大企業製造業で+6で前回の6月調査から横ばい。市場予測の+7を下回った。ドル円の想定為替レートは大企業製造業で前回の111.41円から107.92円へ3.49円も円高方向に修正され、3ヵ月先の見通しは大企業製造業で+6だった。大企業製造業の設備投資計画は+12.8%で、前回から0.1ポイント上がっただけでほぼ横ばい。大企業非製造業のDIは+18で前回調査から1ポイント悪化。「爆買い」の終焉や相次ぐ台風襲来などで3四半期連続で悪化した。3ヵ月先の見通しは+16で、内需不振への警戒感が強い。
ドイツ銀行の件は「希望的観測のまま置いといて」NY株高を反映し3ケタ高で始まる。序盤は16600円にタッチしても定着できないが、東京外為市場で急速な円高を仕掛けられても反応薄。澄ましたように10時台は16600円台前半に上がる。ノーベル医学・生理学賞の発表を大引け後に控え薬品株やバイオ関連株に先回り買い。途中で凹んでも16600円台をキープして、11時台は前日比200円高に近い16600円台半ばの水準のまま前引け。これでは日銀のETF買いは入らない。後場は0時台に下落しても16600円台はほぼ保つ。1時台も前半まではそうだったが、後半になると16600円を割り込むようになる。為替のドル円は101円台前半の範囲で徐々に円高方向。それでも2時台も16600円に何度もタッチしてほとんど離れず、大引けはその2円下だった。日中値幅は98円。
日経平均終値は148.83円高の16598.67円、TOPIX終値は+7.94の1330.72。売買高は14億株、売買代金は1兆6279億円で相変わらずの薄商いだが、日本人がノーベル賞を取れば一変するか? 値上がり銘柄数は1322、値下がり銘柄数は520。プラスは27業種で、上位は証券、精密機器、小売、食料品、金属製品、化学工業など。繊維1業種がプラスマイナスゼロ。マイナスは鉱業、石油・石炭、その他金融、不動産、保険の5業種。上海市場は「国慶節休暇」で今週ずっと休場。
4日の日経平均は続伸。フランクフルト市場はドイツ統一記念日で休場だったが、ヨーロッパの他の市場はプラスでドイツ銀行リスクはひとまず後退気味。原油先物価格は48ドル台で安定。ISM製造業景況指数が発表され、51.5で市場予測の50.5を上回ったが18業種中11業種の業績が悪化し、9月の新車販売台数は-0.5%で2ヵ月連続マイナス。決め手を欠いて週明けのNYダウは54ドル安。朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が113円台後半。CME先物清算値は16605円。大阪夜間取引終値は16600円。
日経平均始値は62円高の16661円。高値は2時2分の16747円。安値は9時1分の16637円。終値は136円高の16735円。前日午後6時すぎ、ノーベル医学・生理学賞を東京工大の大隅良典栄誉教授が受賞という第一報が入った。研究テーマは「オートファジー(細胞の自食作用)」。今年も日本人のノーベル賞受賞者が出るというグッドニュース。夏からずっと続く薄商い、株価の沈滞ムードが変わる期待を込めて「投資の日」の日経平均は序盤から上昇し、16700円をはさんで上下に動く。小動きと言うほど値動きは小さくない。為替のドル円は102円台に乗せてさらに円安方向で、11時台の日経平均は16700円台に完全に乗せて、さらに高値追い。ノーベル賞のお祝い気分でリスクオンしたのか前引けは145円高の前場高値引けで、この日も日銀のETF買いの出番はなし。
昼休みにドル円が円高方向に少し振れたので後場は前引けよりやや安く再開するが、16700円台は保つ。1時台は徐々に上昇して2時すぎに16750円に迫りこの日の高値をマーク。そこから下落して16700円を割り込む。9月の消費者態度指数は+1.0ポイントで、内閣府は基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。終盤も大引け間際になって大きな買いが入って50円ほど急騰し、16700円台で終えた。
ノーベル賞受賞「オートファジー(細胞の自食作用)関連銘柄」の終値は、タカラバイオ<4974>は32円高だがザラ場で年初来高値を更新。300円高のコスモバイオ<3386>と80円高の医学生物学研究所<4557>はともにストップ高比例配分。トランスジェニック<2342>は11円高だった。バイオ関連でも下げたものはあり、クールな反応。全体の商いも全く盛り上がらなかった。
日経平均終値は136.98円高の16735.65円、TOPIX終値は+9.49の1340.21。売買高は15億株、売買代金は1兆7528億円。値上がり銘柄数は1404、値下がり銘柄数は441。プラスは26業種で、その上位は鉄鋼、銀行、精密機器、鉱業、輸送用機器、海運など。マイナスは7業種で、その下位は電気・ガス、不動産、陸運、空運、食料品、その他製品など。上海市場は今週はずっと休場。
5日の日経平均は約3ヵ月ぶりの3日続伸。世界の金融マーケットに動きが出た。インド準備銀行は政策金利を引き下げ。リッチモンド連銀のラッカー総裁が早期利上げに積極的な発言を行い、ECBのテーパリング(資産買い入れ縮小)観測も出て欧米の長期金利が上昇。ユーロは急騰。メイ首相のEU離脱日程表明で英国ポンドは対ドルで31年ぶりの安値。ヨーロッパの株式市場は上昇した。リスクオンで金先物価格は3日続落。原油先物価格は終値48ドル台を保った。しかしドル安と長期金利上昇を嫌気してNYダウは85ドル安。朝方の為替レートはドル円が102円台後半、ユーロ円が115円台前半で円安進行。CME先物清算値は16740円。大阪夜間取引終値は16760円。
日経平均始値は52円高の16787円。高値は1時52分の16844円。安値は9時10分の16728円。終値は83円高の16819円。IMFが世界経済見通しを発表し、2016年は+3.1%、2017年は+3.4%の成長を見込む。2016年のアメリカは7月時点の+2.2%から+1.6%に下方修正だが、日本は+0.3%から+0.5%に上方修正した。日経平均は16700円台後半で始まり、序盤の時間帯は為替が少し円高に振れて何度かマイナスに落ちるが、TOPIXはプラスを保つ。それでも為替が円安方向に折り返すと、10時台は高値を更新しながら16800円を突破する。前場は16830円付近が天井になって押し返され、前引けも94円高の16830円だった。
後場は3ケタ高の高値圏で再開するが、やはり16830円付近が上値抵抗線で、値動きが10~20円程度で小さくなる。為替も動かない。1時台後半に高値を更新するが16850円には届かない。2時台に入ると水準をやや下げるが16800円を割ることはなく、大引けは83円高の16819円で、2週間ぶりに16800円台を回復した。アメリカ大統領選挙の副大統領候補のテレビ討論会は白熱の政策論争があり、世論調査は共和党のペンス候補に軍配。もしもトランプ氏が立候補を取りやめたら、共和党が政権を取り戻せる?