いよいよ、花粉の飛散が本格化する時期に突入する。鼻がグジュグジュ、目がしょぼしょぼ、喉がかゆい…。そんな症状が気持ちまで憂鬱にさせる花粉症は今や国民病といっても過言ではないだろう。またここ数年、花粉症は大人だけでなく子どもにも深刻な悩みとなっているようだ。
そのような中、「アルガード」ブランドを展開する大手製薬メーカーのロート製薬<4527>は、0~16歳の子どもを持つ父母を対象とした「子どもの花粉症」に関するアンケートの結果を発表している。
まず「子どもが花粉症だと思う」という問いに対して25.7%が「思う」と回答、4人に1人が花粉症であると感じているようだ。さらに発症年齢だが5歳までに発症したのは36.6%、10歳までは69.3%となっている。しかし「花粉症シーズン中の子どもへの対策は?」という問いには「対策をしていない」という回答が51%、約半数もあったという。16歳までの子どもの4人に1人が花粉症を感じており、そのうち7割の子どもが10歳までに発症しているにも関わらず、約半数の親は子どもに花粉対策を行っていない。理由としては「恥ずかしい、息苦しい、メガネが曇るなどの理由でマスクをしたがらない」「薬を飲むと眠くなってしまう」「医者に行くのを嫌がる」など、子どもの花粉症対策は難しく、親が深刻に悩んでいる姿がうかがえるようだ。
さらに、父母ともに花粉症の子どもは43.2%が花粉症、父母ともに花粉症でない子どもは11.6%が花粉症であるという結果も出ているという。また、父親のみが花粉症の子どもは23.4%、母親のみ花粉症の子どもは32.8%が花粉症であり、子どもの花粉症は父親より母親に影響を受ける傾向が大きいという結果も出ているようだ。上記のアンケートにより「親の花粉症」と「子どもの花粉症」には関連性があることが浮き彫りとなっている。また、10~16歳の子どもに限定して、出生順と花粉症発症について調べたところ、第1子では39.7%、第2子は29.2%、第3子は28.6%が花粉症であると答えている。第1子が一番アレルギー体質になりにくく、第2子、第3子と兄弟姉妹の数が増えるにつれて、上の子から感染症がうつるので強くなりアレルギー体質になりにくい、と考える「衛生仮説」に近い結果となっているのも注目すべき点であろう。
子どもの集中力の低下や生活の質を著しく低下させる要因ともなる花粉症。これらのアンケート結果はすべて、医師による診断ではなく父母の実感によるものだが、多くの子どもが花粉症で悩んでおり、対策が十分できないことで苦悩している父母が多いのは事実だ。市販薬や予防商品、体質改善策などの情報は毎年数多く出てきているが、まだまだこれらのラインアップだけでは十分でないのは事実だ。どれだけ効果的な策を見いだすことができるのか、今シーズンも各方面で取り上げられる花粉症対策に、大いに嘱目していきたいところだ。(編集担当:宮園奈美)