防衛省は8日、韓国(ソウル)で日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)締結に向けた日韓間の協議を9日に開催する予定と発表した。
我が国から外務省アジア大洋州局北東アジア課長ら外務省、防衛省の担当者、韓国から国防部を始めとする関係省庁の担当者が出席予定としている。
韓国の聯合ニュースは8日「締結で近く妥結か」と報じた。報道では「韓国政府は先月27日、北朝鮮の核とミサイルに対応するため、日本とのGSOMIA締結に向けた交渉を再開すると発表。両国は2012年6月にGSOMIAを締結する予定だったが、日本と密室で軍事協力を進めたとの批判が韓国内で噴出し、締結直前に延期になっていた」と経緯を紹介している。そして「早ければ今月末か来月初めに締結できるとの見方も出ている」と報じた。
また、GSOMIA締結により「両国は直接、軍事情報を共有できるようになり、実質的な軍事協力に向けた重要な基盤が整う」とメリットをあげ「北朝鮮の核とミサイル情報だけでなく、潜水艦を含む北朝鮮の軍事的脅威全般に関する情報を幅広く共有できると期待される。韓国軍は日本の偵察衛星やイージス艦が収集した北朝鮮の核とミサイル情報を入手できる」と韓国にとっても意義が大きいことを伝えている。
ただ、こうした報道の一方で「協定は国民の理解を求める手続きを経て締結することが望ましいため、朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)容疑者の国政介入疑惑に世論の関心が集まっている時期に軍事作戦のように協定の締結を推し進めているとの批判もある」と、順調に締結にたどり着けるかどうか、微妙な空気も読む必要がありそうだ。(編集担当:森高龍二)