ロームグループのラピスセミコンダクタが、高信頼性DRAMシリーズとして、出力ドライバビリティ調整機能搭載の64MビットSDRAM「MD56V62160M」のサンプル出荷を開始した。車載用途などの高い信頼性が要求される分野から民生分野まで、幅広い利用を見込んでいる。
現在、DRAMの主流はDDR2/DDR3-SDRAMといった大容量・高速化に移行しており、中・小容量SDRAMの長期安定供給に対する不安が高まっている。こうした中、今回の新製品は、中・小容量のSDRAMをレガシーDRAMとして位置づけるラピスセミコンダクタが、長期にわたり供給ができる唯一の国内メーカーとして、今後もレガシーDRAM需要に応えるため商品化したものだという。
従来、車載機器システムの動作時に発生する輻射ノイズは、高周波数帯域などへの影響を与えるため、その低減が重要な課題となっていた。そこで、ラピスセミコンダクタの新製品には、出力ドライバビリティ調整機能を新規に搭載。モードセットレジスタの設定により出力ドライバビリティを変更、システムに応じて電流駆動能力の最適化を実現しており、輻射ノイズ対策部品の削減、ダンピング抵抗部品の削減にも威力を発揮するという。また、出力ドライバビリティ調整機能は、電流駆動能力仕様も要求に応じて、出荷時からあらかじめ固定仕様でご提供が可能、既存のSDRAMコントローラでも、モードレジスタをセットすることなく出力ドライバビリティを調整することができる。
さらに、車載機器分野における基板とのはんだ接続性の高い、銅リードフレームのパッケージを採用。車メーカー要求の基板実装状態での熱衝撃サイクル基準をクリアし、はんだメッキのウイスカー不良の発生も同時に抑制している。
SDRAMの長期安定供給を行う数少ないメーカーであるラピスセミコンダクタは、確固たる地位を得ている。今後128MビットSDRAM、256MビットSDRAM/DDR1、512MビットSDRAM/DDR2の商品化も予定し、レガシーDRAMの商品ラインナップ拡充を図るとしている。