中国軍用機への妨害弾発射事実ない 防衛省

2016年12月12日 12:02

 防衛省は中国国防部が12月10日午前、中国空軍航空機が宮古海峡空域を経て西太平洋における定例の遠海訓練に赴いたところ、日本自衛隊が2機のF-15戦闘機を出動させ、中国側航空機に対し、近距離での妨害を行うとともに妨害弾を発射し中国側航空機と人員の安全を脅かしたと発表したことに、11日「事実と明らかに異なることを中国国防部が一方的に発表したことは、日中関係の関係改善を損なうものであり、極めて遺憾」とコメントを発表した。

 防衛省によると「12月10日午前から昼頃にかけて、H-6爆撃機2機、SU-30戦闘機2機、TU-154情報収集機1機、Y-8情報収集機1機が東シナ海から沖縄本島と宮古島間を通過し、太平洋に至る飛行を行ったことを確認している」とし「SU-30戦闘機2機はその後、反転し、大陸方向に引き返した。一方、H-6爆撃機2機、TU-154情報収集機1機、Y-8情報収集機1機は先島諸島の南の太平洋側を経て、バシー海峡方向に向けて飛行したことを確認している」と中国軍航空機の動向を説明。

 そのうえで「対領空侵犯措置を実施したF-15戦闘機は中国軍用機の状況の確認及び行動の監視を国際法及び自衛隊法に基づく厳格な手続きに従って行った。また中国軍用機に対し、近距離で妨害を行った事実はなく、妨害弾を発射し中国軍用機とその人員の安全を脅かしたという事実も一切ない」と完全否定した。(編集担当:森高龍二)