日経平均終値は95.49円高の19250.52円、TOPIX終値は+8.82の1540.25。売買高は23億株、売買代金は2兆8389億円。値上がり銘柄数は1395、値下がり銘柄数は493。プラスは22業種で、その上位は水産・農林、医薬品、情報・通信、石油・石炭、電気・ガス、小売など。マイナスは11業種で、その下位はその他製品、機械、保険、証券、鉱業、ガラス・土石など。上海総合指数は0.06%高だった。
14日の日経平均は最後に逆転して7営業日続伸。英国の消費者物価指数(CPI)は+1.2%で市場予測を上回り、2年ぶりの高水準。ドイツのZEW景気予測指数は11月と同じ13.8で市場予測の14.0を下回った。イタリアのウニクレジット銀行に公的資金が入り130億ユーロの不良債権を処理する再建策が好感されヨーロッパ市場は全面高になった。アメリカの輸入物価指数は-0.3%で9ヵ月ぶりの大幅低下だったが、IEA(国際エネルギー機関)が月報で2017年上半期に原油の供給過剰が解消して需給が均衡する見通しを発表したのを受けて原油先物価格が4営業日続伸し終値52ドル台。さらにトランプ次期大統領は次期国務長官に現在のエクソンモービルCEO、レックス・ティラーソン氏の起用を発表し、「エネルギーセクターの日」になった。NYダウは20000ドルの大台にあと47ドルまで迫り、終値は114ドルの大幅高で7営業日続伸。NASDAQもS&P500も反発。朝方の為替レートはドル円が115円台前半、ユーロ円が122円台前半。大阪夜間取引終値は19290円。CME先物清算値は19275円。
日経平均始値は19円高の19270円。高値は9時7分の19284円。安値は10時9分の19184円。終値は3.09円高の19253円。取引開始前に12月調査の日銀短観(日本銀行企業短期経済観測調査)の結果が発表された。大企業製造業の景況判断DI(現状)は+10で、9月調査の+6を大きく上回り6四半期ぶりの改善をみせた。輸出関連業種が好転し、11月以来の円安、好調なアメリカ経済が経営者のマインドを良くした。しかし3ヵ月後予測の先行DIは+8で市場予測の+9を下回り、やはりトランプ新政権発足後の行方には懸念がぬぐえない模様。
日経平均はプラスで始まり序盤に19284円まで上昇するが、19300円には届かないままマイナス圏、19200円付近まで押し戻される。海外の株価が堅調でも、やはりFOMC待ち、日ロ首脳会談待ちの様子見で買いが続かない。10時を回ると19200円を割り込んで安値更新。人民元の基準レートは前日より高いので中国リスクではなく、ひとえに前日、日銀買いでリフトアップした反動の利益確定売りで、押し目買いと綱引き。そのため上下の値動きが荒くなる。前場の残りの時間はマイナス圏でも19200円を割ることはなく、15円安で前引け。TOPIXもマイナスで〃正義の味方〃日銀買いの条件が整った。だがプラスにひっくり返すことが〃正義〃なのか?
後場はほぼ前引け水準で再開するが、すぐにスルスルとプラス圏に浮上する。日銀買いは「バンドワゴン」というそれに便乗する買いを呼び込み、買い入れ規模以上の効果を発揮することがある。前日に続きそれが現れたのか、1時台も2時台前半もプラス圏をほぼ維持し、19280円台のこの日の高値水準まで上昇。TOPIXはプラスとマイナスを行ったり来たり。不動産経済研究所が1時に発表した11月の首都圏・近畿圏のマンション市場動向は、首都圏は-22.7%の大幅減で2ヵ月連続のマイナス。月間契約率も62.5%で70%を下回った。近畿圏は+16.5%で5ヵ月連続増加。月間契約率は75.4%で「西高東低」の気圧配置。経済産業省が1時30分に発表した10月の鉱工業生産指数確報値は9月と同じ98.4で、速報値から0.1ポイント下方修正された。製造工業稼働率指数は+1.4%の98.1。生産能力指数横ばいの94.5。
午後、参議院本会議で「マクロ経済スライド」を見直し年金支給額を抑える改正国民年金法が可決、成立した。2018年4月から実施。後場を通じて為替のドル円は115円台前半でもみあうだけで動きは乏しい。終盤になると日経平均は利益確定勢力がまさってマイナスに転落。「いよいよ年貢の納め時か?」と思いきや、土俵際でうっちゃってプラスで終了。物言いがつきそうな薄氷の勝利でも白星は白星で7営業日続伸。5営業日連続で年初来高値更新。ここまで来たら2016年の新語・流行語大賞受賞の「神ってる」なのか? 神の名をみだりに唱えることなかれ。TOPIXとJPX日経400は反落した。日銀のETF買い742億円はしっかり入っていた。
新規IPOが1件。インターネットを活用した集客プラットフォームの運営を手がけるキャリアインデックス<6538>が東証マザーズに新規上場。公開価格6060円より1.48%高い6150円の初値がついた。開始早々の「辛勝」だったのは、資金吸収金額が約30億円と比較的多い上に、主要顧客が人材紹介、人材派遣の業界で新味に乏しく競合が多いことと、直近の業績が頭打ちなこと。