今週、12月第4週(19~23日)は23日の金曜日が「天皇誕生日」で祝日休場になるため、4日間の取引。クリスマス・イブをはさんで週末は3連休。19~20日に今年最後の日銀会合がある。FOMCは1年ぶりの利上げを決めたが、日銀の金融政策に変更はないというのが大方の予想。19日にアメリカ大統領選挙の「選挙人投票」があり、トランプ氏の当選が正式に決まる。票数はクリントン氏のほうが多かったが、州ごとの「勝者の選挙人総取り(ウィナー・テイクス・オール)」の制度でトランプ氏が当選する「手続き」。敗者は勝利のそばで小さくなって立ちすくむ。それが彼女の運命。ヒラリー氏も過ぎてしまったことは話したくない、だろう。上院も下院も共和党が多数を占めたので、選挙人は造反してもムダな抵抗になる。
世界の主要株式市場の休場日はない。「きっと海外投資家は来ない」クリスマス・イブは土曜日で、クリスマスは日曜日。23日はイブの前日なので、アメリカの債券市場や、原油先物のNYMEX、日経平均先物のCMEなど商品市場は短縮取引になる。
国内の経済指標、イベントは、19~20日に日銀の金融政策決定会合がある。これが今週最大のイベント。20日の正午すぎにその結果が発表され、大引け後に黒田総裁の記者会見がある。
19日には11月の貿易統計(貿易収支)、11月の日本製半導体製造装置BBレシオ、20日には11月の全国百貨店売上高、全国コンビニエンスストア売上高、21日には10月の全産業活動指数、11月の訪日外国人客数、全国スーパー売上高、食品スーパー売上高が、それぞれ発表される。
19日にESPフォーキャスト調査が発表される。シンクタンクの専門家の2017年の経済見通しは? 21日に1~3月の3ヵ月予報が発表される。「ラニーニャ」で冬が寒いのは景気にいいが、3月になってもしつこく寒いと春物が売れなくなり景気を冷やす。22日に政府の来年度予算案が閣議決定される。
主要銘柄の決算発表は少ない。19日はツルハHD、20日はアークランドサカモト、SJI、21日は日本オラクル、22日はニトリHD、あさひが決算を発表する。
新規IPOは、「今年最後の大物」として注目され19日に予定されていたZMP<7316>は上場延期になったが、今週は8件もあり「師走の新規IPOまつり」のピーク。
19日に日本モーゲージサービス<7192>がジャスダックに新規上場する。東京が本社で、住宅関連企業を対象に住宅事業総合ソリューションサービスを提供する。公開価格は2010円。サービスの内容は住宅金融、住宅瑕疵保険、システム開発・クラウドプラットフォーム、事業生産性コンサルティングなど。
19日に船場<7192>が東証2部に新規上場する。東京が本社で、商業施設の企画、設計、監理、施工などを手がける。公開価格は1290円。大阪・船場にあった陳列ケースの販売店がルーツで、戦後の高度成長期、店舗ショーウインドーの設計・施工に進出した。
20日にリネットジャパンG<3556>が東証マザーズに新規上場する。愛知県大府市が本社で、ネットリユース事業、ネットリサイクル事業を展開する。公開価格は1830円。サイト名は、ネットリユースは「NET OFF」、ネットリサイクルは「ReNet」。
21日にグレイステクノロジー<6541>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、産業機械中心に各種マニュアルの作成・管理・運用を行う基幹システム「e-manual」の提供、クラウドサービス運営、マニュアルの企画・制作・翻訳を行う。公開価格は3100円。
21日にイノベーション<3970>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、法人向けネットマーケティング支援を行う。公開価格は2770円。具体的には成果報酬型の比較・資料請求サイトの運営、マーケティングオートメーションツールの開発・提供など。
21日にセグエG<7192>がジャスダックに新規上場する。東京が本社で、ITインフラ、ネットワークセキュリティ製品にかかわる設計、販売、構築、運用、保守サービスを行う。公開価格は1700円。
22日にエイトレッド<3969>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、稟議申請から承認に至るまでの業務効率化を図るためのワークフローパッケージ「X-point」などの開発・販売、クラウドサービスの提供を行う。公開価格は1800円。
22日にフォーライフ<3477>が東証マザーズに新規上場する。横浜市が本社で、分譲住宅事業、注文住宅事業を行う。レコード会社とは無関係。公開価格は2280円。事業エリアは人気がある神奈川県の川崎市、横浜市と東京都の城南地区。
海外の経済指標、イベントは、アメリカの住宅指標が21日から連日発表される。特に重要なのが21日の中古住宅販売件数、23日の新築住宅販売件数。
19日にはドイツの12月のIFO景況感指数、21日にはアメリカの11月の中古住宅販売件数、22日にはアメリカの7~9月期のGDP確報値、11月のシカゴ連銀全米活動指数、10月のFHFA住宅価格指数、11月のCB景気先行総合指数、耐久財受注、個人所得、個人消費支出、23日にはアメリカの11月の新築住宅販売件数、ミシガン大学消費者信頼感指数確定値が、それぞれ発表される。
20日にトルコ、21日にタイで政策金利が発表される。
アメリカの主要企業の決算発表は、19日にレナー、20日にナイキ、フェデックス、カーマックス、カーニバル・コーポレーション、21日にベッド・バス・アンド・ビヨンド、レッド・ハット、アクセンチュアが発表する予定。
週間騰落が404.78円高で6週連続プラスの前週末、16日の終値は19401.15円だった。週間5戦全勝で9連騰継続中のそのテクニカル・ポジションを確認すると、4本の主要な移動平均は全て下にある。5日移動平均は19266円で135円下、25日移動平均は18421円で980円下、75日移動平均は17412円で1989円下、200日移動平均は16819円で2582円下。4本とも上昇ペースは上がっている。特に25日線は今週になると25営業日前がアメリカ大統領選挙の後になるため、よりハイペースで上昇する。そのためボリンジャーバンドや25日移動平均乖離率や25日騰落レシオは「買われすぎ」の度合いが薄れていく。