【今週の展望】FOMCとロシアの週にトランプ・ラリー終了?

2016年12月11日 20:11

0205_026

東京市場の今週最大のリスクは、FOMCよりもプーチン大統領の胸の内。「家出」したロシアの文豪のように、トランプ・ラリー特急、停車場に死す?

 今週、12月第3週(12~16日)は5日間の取引。13~14日に「利上げ決定は確定的」と思われているFOMCが開催される。「投『票』の結果に世界が2回も震撼した、何が起こるかわからない『驚』の2016年」なので、どんでん返しの利上げ見送りもありうるか? 12日、「今年の漢字」が京都の清水寺で発表される。14日は日銀短観の発表。日銀会合は来週19~20日。

 日ロ首脳会談は15日。北方領土問題でたとえば「二島返還、二島共同管理」のような大きな前進がなければ、日ロ平和条約の締結や期待ばかりが先行するロシアへの経済協力の話も始まらない。結果次第で平均株価は大幅上昇も、大幅下落もありうる。

 世界の主要株式市場の休場日は、12日にタイ、マレーシア、インドネシア、メキシコ、16日に南アフリカが休場する。

 国内の経済指標は14日の日銀短観が最も重要。3ヵ月に一度で、調査時期が「トランプ・ラリー」の為替の円安、株価上昇と重なったので、回答した企業経営者たちは「気分はアゲアゲ」かもしれない。国内イベントは何と言っても15日の日ロ首脳会談。

 12日には日銀発表の11月の企業物価指数、10月の機械受注、11月の国内企業物価指数(PPI)、10月の第三次産業活動指数、11月の工作機械受注、14日には12月調査の日銀短観、11月の首都圏、近畿圏新規マンション発売、15日には企業物価見通し(日銀短観分)が、それぞれ発表される。

 14日は臨時国会の会期末。問題のIR関連法案(カジノ法案)は参議院本会議で可決、成立するか? 15~16日にロシアのプーチン大統領が来日し、15日に山口県長門市で安倍首相と日ロ首脳会談を行う。東京でも会談が行われる予定。日ロ共同声明後の16日の株価は天国か? それとも地獄か? 16日に任天堂<7974>がアップルストアで「スーパーマリオラン」の配信を開始する。

 主要銘柄の決算発表は少ない。12日はくらコーポレーション、シーズHD、ハイレックスなど。13日は東建コーポレーションなど。14日はアスクル、サンバイオ、コーセル、フジコーポレーションなど。15日はクスリのアオキ、パーク24、東京ドーム、神戸物産など。16日はイハラケミカル、クミアイ化学、西松屋チェーンなど。

 新規IPOは今週3件。来週19日に新規上場が予定されていたZMP<7316>は上場を延期し、12月は全部で14件になった。

 14日にキャリアインデックス<6538>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、インターネットを活用した集客プラットフォームの運営を手がける。公開価格は6060円。転職サイトは女性やファッション業界に特化したものもあり、他にアルバイト紹介サイト、スクール紹介サイトも運営している。

 15日にMS-Japan<6539>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で人材紹介業、それに関連したインターネットメディアの運営を行う。公開価格は2080円。管理部門特化型転職エージェントで、企業法務や弁護士・法律事務所に特化した転職サイト、会計事務所・法律事務所の検索サイトも運営し「士業」にも展開している。

 16日にシンシア<7782>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社でコンタクトレンズの製造・販売を行うメーカー。公開価格は2100円。2008年創業の新興勢力で、成長性がある「使い捨てタイプ」に特化している。「シンシア(Sincere)」は英語で「誠実な」という意味。歌手の南沙織さんを連想する人は年齢がバレる。

 海外の経済指標、イベントは、13日に中国で出る経済統計が「中国リスク」の点で要注意。同じ13日のドイツのZEW景況感指数も見逃せない。週後半はアメリカの経済指標ラッシュで、特に16日の2つの住宅指標に注目。海外イベントは何と言っても13~14日のFOMC。

 12日にはトルコの7~9月期のGDP、アメリカの11月の財政収支、13日にはインドの11月の消費者物価指数(CPI)、英国の11月の消費者物価指数(CPI)、中国の11月の工業生産高、小売売上高、都市部固定資産投資、ドイツの12月のZEW景況感指数、アメリカの11月の輸出入物価指数、14日にはユーロ圏の10月の鉱工業生産指数、アメリカの11月の小売売上高、生産者物価指数(PPI)、鉱工業生産、設備稼働率が、それぞれ発表される。