レスベラトロール、様々な付加価値で商品も多様化

2012年04月02日 11:00

 昨年NHKのテレビなどで紹介されたことで、一気に認知度が広がったレスベラトロール。大手企業から中小企業まで多くの企業がその商品展開を進めている。今年に入ってからも、要望の声が多く寄せられたことからファンケルが販売を開始するなど、その勢いはしばらく続きそうである。一方で、レスベラトロール含有の商品が多くなるにつれ、近時は各社が独自の特色を持たせた商品を市場に投入する傾向が見られる。

 昨年12月に富士フィルムが発売したレスベラトロール含有サプリメントは、レスベラトロールの中でも機能の高さや研究成果を示すデータが豊富なトランスレスベラトロール・ビニフェリンを含むプレミアムレスベラトロール(富士フィルムによる呼称)を配合。そこに加えてコエンザイムQ10の約1000倍の健康パワーで知られるアスタキサンチンなども配合し、他商品との差別化を図っている。

 口コミランキングサイトで上位に位置するメディエンスのレスベラトロール含有サプリメントには、血流改善や動脈硬化予防などの効果が期待されるアルギニンやシトルリンを配合。アンチエイジングの面だけでなく、疲労回復なども図れる商品として販売し、人気を得ているようである。その他、生姜や高麗人参を配合して美容面を売りにした商品も発売されており、その多様性が広がっている。

 さらに、以前からレスベラトロール含有サプリメントを販売していた企業も、配合成分をリニューアルするなど、さらなる顧客満足向上に尽力している。山田養蜂場は2月より「レスベラトロール プラス」をリニューアル商品として販売した。以前より発売していたメリンジョ由来のレスベラトロールに加え、ブドウの新芽や若いつるから抽出したレスベラトロールも配合。また、地中海地域の食事にはオリーブオイルが多く使用されており、健康的な食習慣の一つとして注目を浴びていることにも着目。レスベラトロールの働きを助ける成分として、ポリフェノール類”オレウロペイン”をオリーブオイルより多く含む「オリーブ葉エキス」を配合することで、他社商品との差別化を実現している。

 サプリメント市場では、一時期のブームに終わってしまう成分も少なくない。むしろグルコサミンやブルーベリーなど、長期にわたり需要が継続する成分は希と言えるかもしれない。さらに、新しい成分が次々と台頭してくるため、その市場獲得と堅持は、他の市場と比べても非常に難しいと言えるであろう。そんな中でレスベラトロールは、市場拡大を続け一定の地位を確保できるであろうか。勢いのある今、各社がどういった付加価値のついた商品を提供し市場を広げていくのか、その動向に注目が集まる。