2020年に向けて障がい者アスリート雇用への注目高まる

2017年01月09日 20:05

画.2020年に向けて障がい者アスリート雇用への注目高まる

障がい者の就職・転職支援を行うゼネラルパートナーズは、同社が運営する「障がい者総合研究所」にて、障がい者アスリートの雇用実績がある、または検討している企業を対象としたアンケート調査を実施。あわせて同社が提供する「障がい者アスリートの紹介サービス」における募集求人40件を分析した。

 2020年の東京パラリンピックに向けて、障がい者アスリート雇用への注目が高まっている。障がい者アスリートの雇用は、企業のPRだけでなく法定雇用率の遵守にもつながる。現行では企業は、従業員数の2.0%以上の障がい者を雇用することが法律で義務付けられており、18年には改正障害者雇用促進法の施行により法定雇用率はさらに引き上げられる見込みとなっている。こうしたなか、障がい者の就職・転職支援を行うゼネラルパートナーズは、同社が運営する「障がい者総合研究所」にて、障がい者アスリートの雇用実績がある、または検討している企業を対象としたアンケート調査を実施。あわせて同社が提供する「障がい者アスリートの紹介サービス」における募集求人40件を分析した。

 同調査結果によれば、障がい者アスリートの雇用に対して、企業が期待しているものは、「社内の一体感を高めること」が80%と最も高い割合となった。次いで「障がい者雇用を進める上で、新たな層を採用したい」(73%)、「CSR」(73%)が続いた。また、採用を進めるうえでの勤務形態に関しては、「週5日フルタイム勤務」(69%)が最も高い割合となり、「週5日の時短勤務可能」(50%)がこれに続いた。残業時間に関しては「残業なし」という企業が64%おり、日々の練習時間に充てるための配慮が見受けられる。「大会や代表合宿への参加の際は、出勤日として認定が可能」(67%)という企業が半数以上を占める一方で、「遠征費用(42%)や、「競技に関する機材の購入費用」(33%)の一部負担を検討している企業はまだまだ少ないことがわかった。

 従来の障がい者アスリート雇用環境では、企業からのサポートが充分でなく、練習は休日に行うしか方法がないなど、仕事と競技の両立が大変なケースも多かった。東京パラリンピック開催に向けてこのような環境も改善されつつある。企業側は障がい者アスリートを雇用することで、社内外へのアピールになり、企業全体のモチベーション向上にも繋がる。また、障害者が健常者と一緒に働くことでダイバーシティ経営の一環として企業の組織力を高める効果も期待できる。障がい者アスリートの雇用が促進され、企業の障がい者就労環境が整備されることにより、アスリート以外の障がい者に対しての雇用環境改善にも繋がることが期待される。(編集担当:久保田雄城)