拡充するLED照明機器、癒し・快適性など積極的選択する時代へ

2012年03月29日 11:00

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ロームグループのアグレッドでは、業界最高クラスの省エネ性能を達成した新モデル6種を開発。「サーカディアン照明モード」を標準装備し、日々の生活リズムに合わせて、日中は明るく清々しい光色、夕刻以降は睡眠の準備に適した照明となっている。

 環境への配慮や節電のニーズから一般家庭でもLED照明の需要が拡大する中、省エネ性能はもはや標準機能となり、調光調色などの付加価値への関心が高まっている。

 シャープは、「癒し」と「安眠サポート」の効果を実証した「さくら色LED照明」3機種を3月16日から発売。これは、2009年にカラーLED照明による人への影響について研究を行い、「”薄紅色(さくら色)”は幸せを感じさせる色」という結果を得たことに伴い商品化されたもの。深みのある「八重桜」と淡い「ソメイヨシノ」の2種類を好みに合わせてリモコン操作で選択できる上、すべての光色において、10段階で明るさの調節ができるという。

 一方、ロームグループのアグレッドでは、長年培った光学設計技術にロームの最先端デバイス技術を組み合わせ、業界最高クラスの省エネ性能を達成した新モデル6種を開発。新製品には、ペンダントライトで既に導入していた「サーカディアン照明モード」を標準装備し、日々の生活リズムに合わせて、日中の活発に活動する時間帯は明るく清々しい光色、夕刻以降は温かみのある光色で睡眠の準備に適したリラックス出来る照明となっている。さらに明るさは、10%から100%まで13段階、光色は電球色から昼白色まで11段階と様々なパターンの調節が可能。2つの階調の組み合わせにより、全143パターンから好みの色、明るさを選ぶことが出来るので、シーンに合わせたあかりの演出を楽しむことができる。

 昨年の震災以降、節電・省エネ意識の高まりにより、LED照明市場は、工場やオフィスを中心に大きく伸長している。一般家庭用においても、価格が下がり始め、様々な付加価値のついた商品が多数ラインアップしてきたことで普及が進んでいる。ロームが製品化しているサーカディアンリズムに合わせた自動調光調色機能なども、これまでオフィス用照明として一部で製品化されていたもの。一般家庭向けとしては、同社が10月に初めて導入し、今回のシーリングライトにも展開したという。

 両社のように「癒し」や「快適性」を訴求する製品がメーカー各社から数多く出始めた今、LEDはもはや既存照明機器の代替としての省エネ・節電を意識した消極的な商品選択ではない。自らの好みに合うものを楽しみながら選ぶ、積極的な商品選択が出来る時代になったと言えるのかもしれない。