準備罪など衣裳つけず正面から議論をと山尾議員

2017年01月28日 12:32

 民進党の山尾志桜里議員は26日の衆院予算委員会でオリンピックの安全確保のために、テロ等組織犯罪準備罪は国際的な組織犯罪防止条約締結に国内担保法として必要と主張する政府に対し「ヘイトスピーチに刑事罰をもって対応すべきとする『人種差別撤廃条約』や婚外子の差別を禁止する『子どもの権利条約』については国内法を整備しないまま条約を締結している」と指摘。

 「人権を守るための条約では必ずしも新しい法律はいらないという態度を取る一方、権力側の権限をどんどん拡大する条約には留保はつけず、新しい法律、共謀罪が必要不可欠というダブルスタンダードはおかしい」と追及した。

 そのうえで山尾議員は国際的な組織犯罪防止条約締結については「私たちも条約を批准するのは大事だと思っている」とこの点においては政府と同じ考えであるとの認識を示した。

 そのうえで山尾議員は担保する法が必要なのかどうか、「世界各国・地域の187の条約批准国のうち新しく共謀罪をつくって条約を批准した国はわずか2カ国だ」と指摘。「現行法でも批准できないのか、ここの検討から入るべき」と総理に求めた。

 また、「準備罪という衣装やテロ等という冠をつけ、本質的な議論をごまかさず、本当にこれが必要なのかどうか議論すべき」とし「テロのためとか、オリンピックのためとか目的をすり替え、共謀罪から目をそらして国民を騙そうという卑怯なやり方はやめていただきたい」と正面からの議論を提起した。安倍晋三総理は過去3回廃案となっている「従来の共謀罪とは全く違うものだ」と今国会での答弁を繰り返し、説明した。(編集担当:森高龍二)