安倍晋三総理は25日の参院本会議で自由党の山本太郎共同代表が「テロ等準備罪」について質したのに答え、東京オリンピック・パラリンピックを安全に開催するためには国際社会と緊密に連携して安全を期する必要があり、すでに187の国・地域が条約締結している国際犯罪防止条約の締結が必要不可欠で、条約締結のための国内担保法として政府として準備を進めているとの考えを強調した。
安倍総理は「国際犯罪防止条約の締結は必要不可欠で、国内担保法の在り方については現在、一定の犯罪を目的とする集団、すなわちテロ組織をはじめとする『組織犯罪集団』に限定し、『準備行為があって初めて処罰の対象とする』など、一般の方々がその対象となることはあり得ないということがより明確となるよう検討しているところだ」と答えた。
また安倍総理は「テロ等準備罪はテロ等実行の準備行為があって初めて処罰の対象となるものであり、これを『共謀罪』と呼ぶのは全くのあやまり」と強調した。
山本議員はテロ等準備罪を政府が今国会で成立させようとしていることに「オリンピックに向けて、火事場泥棒的に『治安立法』を成立させる」とけん制した。山本議員は総理に対し「テロ等の『等』と、テロ以外にも適用される余地を残す理由を教えてほしい。権力が思想・信条の領域にまで足を踏み入れる理由はなになのか」など、拡大適用される危険性や思想信条への国家権力の介入の危険性を強調した。(編集担当:森高龍二)