稲田朋美防衛大臣は8日の衆院予算委員会で南スーダンPKO活動にあたっていた自衛隊部隊の日報に『戦闘』が報告されていた問題について、民進党の小山展弘議員の質問に「事実行為としての『殺傷行為はあった』が、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と答弁した。
この日の委員会で小山議員が「去年7月に作成された文書には『戦闘』という言葉があるが、戦闘があったことを認めるのか」と質したのに答えた。
この日、稲田防衛大臣は「憲法9条(戦争の放棄)上の問題になる言葉は使うべきではないことから」と自身の考えを表現した。これは野党から9条議論で追及されるのを回避するため「戦闘行為」を「武力衝突」と表現し、かつ「法的な意味での戦闘行為ではない」と苦しい答弁を繰り返してきたとも受け取れる。PKO5原則に照らして、事実はどうであったのか。派遣の条件を満たしていたのか、再検証が求められることになりそう。
民進党の山井和則国対委員長は同日開いた民進党、日本共産党、自由党、社会民主党の4党国対委員長会談後の会見で「不誠実かつ虚偽まがいの答弁をした責任は極めて大きい」と稲田防衛大臣の責任を追及していく考えで4党が一致したとし、国会での攻勢を強める姿勢を示した。(編集担当:森高龍二)