日本共産党は機関紙「赤旗」で、安倍晋三総理が20日に行った施政方針演説の内容に対し日米同盟について「歴代自民党政権も対米追随の立場だったとはいえ、ここまであけすけに米国追従ぶりを示した施政方針は、異例中の異例」と米国追従表明だと酷評した。
特に「トランプ米国新大統領就任直前に、何があろうと日米同盟の優先を『宣誓』したことは、在日米軍の費用負担などで米国から理不尽な要求があっても受け入れることを公言したのに等しく、常軌を逸している」とした。
安保法制に基づいた南スーダンPKO活動の自衛隊については「戦後初めて自衛隊員が『殺し殺される』危険が高まり、国民の不安も広がっているのに、首相の演説は戦争法に触れない」と指摘し「それどころか自衛隊が南スーダンでグラウンドを整備した例をあげ、『安全』ばかり強調した。深刻な危険を覆い隠し、派兵を正当化する姿勢は不誠実で無責任」とした。
また、護憲の立場を鮮明にしている日本共産党は、安倍総理が施政方針演説で憲法審査会での改憲に向けた具体的な議論を呼びかけたことに「憲法を守り、生かすことを痛切に願う国民への、あからさまな挑戦」とけん制した。
そのうえで「歴史逆行の憲法破壊を阻止する世論と運動を広げることが決定的に重要」と対峙していく姿勢をより鮮明にしている。国会では、こうした案件に加え、政府が今国会で成立をめざす「組織的犯罪準備罪」や働き方改革に関する法案など多くの点で激しい論戦になるもよう。(編集担当:森高龍二)