米国の世界平和への中枢的関与、日欧双方に重要

2017年01月09日 08:54

 稲田朋美防衛大臣はフランス軍事学校戦略研究所で「流動化する国際安全保障環境と日欧防衛協力」と題して講演した。この中で稲田防衛大臣は「日本と欧州の協力・強化を進めることは米国との関係を補完し 国際秩序維持の基盤を成すものとなる」と同盟国やパートナー国との協力強化の必要をアピール。

 また「米国が国際社会における中枢的なプレーヤーとして、世界の平和と安定に関与し続けることは日欧双方にとって極めて重要」と米国の世界平和への中枢的な関与は日欧双方にとって重要と語った。

 稲田防衛大臣は講演で、安保法制に基づく駆けつけ警護の新任務を南スーダンPKO派遣隊に付与したことに触れ「現在、南スーダンのUNMISSに陸上自衛隊施設部隊約350名を派遣しており、世界の平和の維持において重要な役割を果たしてきている」と紹介。

 そのうえで「平和安全法制の施行により新たにいわゆる『駆け付け警護』が可能となり、昨年末、日本政府はUNMISSに派遣している施設部隊に対し、新たな任務を付与した。日本としては『積極的平和主義』の旗の下、これまで以上に国際社会の平和と安定に貢献していく」と語った。

 そして「複雑化する安全保障上の課題に対処していくためには、自らの防衛力整備を行うとともに、同盟国及びパートナー国と協力していくことも必要」と強調。

 稲田防衛大臣は「間もなく米国で新政権が発足するが、日本にとって日米同盟が安全保障の基軸であることには一切変わりない。欧州にとってもNATOは欧州と米国を結ぶ重要な同盟システムだと理解している。米国が国際社会における中枢的なプレーヤーとして、世界の平和と安定に関与し続けることは日欧双方にとって極めて重要」と述べ「日本と欧州の協力を進めることは米国との関係を補完し、国際秩序の維持の基盤を成すものとなる」との認識を示した。(編集担当:森高龍二)