【2016年振り返り】JAL、ANAの一年を読み解く

2016年12月31日 17:27

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日本航空、全日空とも顧客満足度を向上させるためにさまざまなサービスを展開。LCCに対抗するためには、品質の良さで競合優位性を保ちたい所。今後増える訪日観光客をいかに取り込むかがカギとなる。

 今年日本航空<9201>、全日空<9202>の一年を振り返るに当たって確認しておきたいのは為替市場だ。海外旅行に行くための重要な指針となり、両社の利用率にも関係してくる。今年1月には1ドル110円代後半に始まり、7月には100円近くへとなっていた。さらに12月には再び110円代後半へとなったので、両社を利用する旅行者に大きな影響を与えたことに間違いない。

 さて、まずは日本航空から見ていきたい。日本航空は2月に「JALグループ長期ローリングプラン」を発表した。そこでも日本航空の重要なパートナーである新興国経済や、世界市場全体などの停滞などを打開するための戦略が発表された。サービス向上を掲げ「JAL SKY SUITE」というさらに質の良いサービスを提供。同2月には成田モスクワ間でも採用され、欧州全路線が快適なSKY SUITEになった。日本航空はこのSKY SUITEを全面に押し出していく。

 またそのモスクワ線とともに成田ダラス線が好調なこともあり、第一四半期には国内線供給が1.2%増加、需要が0.4%の増加となったが、旅客収入は燃料サーチャージの収入減少によって995億円と同比9.1%減少となった。国内線においても供給が2.6%の減少、需要も1.7%の減少、収入は1,094億円と同比0.4%減少となった。

 しかしながらその後も積極的なプロモーションを続けていく。9月にイベリア航空やアラスカ航空などとのコードシェア便を増やしていき、中国では「We Chat」を使ったプロモーションに加えて、ドラえもんJETを就航させた。また国内線でも6月から訪日外国人向けの「oneworld YOKOSO/visit KYUSHU Fare」を開設し、同じく6月には新千歳空港に飲食サービスを提供するラウンジを開設するなど徹底的な品質向上を図った。

 一方の全日空は1月25日の国内線機内インターネット開設を元に今年のスタートを切る。それから3月には「Same Day Delivery Service」という訪日外国人向けのサービスを試験的に開始させる。例えば東京と京都を観光するための移動に、荷物を全日空が代わりに運ぶサービスである。また4月には同じく訪日外国人向けにモバイルWiFiの無料貸し出しキャンペーンを行った。もちろん、6月に国内線でも機内サービス向上のためにプレミアムクラスではPremium GOZENという食事に代わり、とても豪華なものとなった。

 10月には2020年の東京オリンピックのためのプロモーションの一環として機体のデザインコンペを行った。もちろん採用されると機体のデザインとして大空に羽ばたくことになるのだが、このコンテストが一般の人の心に受けて話題となった。

 そして今年最後の衝撃的ニュースになったのが全日空のエアバス社よりA320neoを受領したことだ。これは日本の航空会社で初である。A320neoは従来機より燃料効率が15%も改善されており、約7%という長い航続性能を保有している。さらに飛行機に登場する乗客として嬉しいのが、小型機にも関わらず広い機内の空間を保っていることだ。すでに11月の国内線フライトとしてデビューを果たしている。ビジネスクラスにはリクライニングシート、エコノミークラスにはタッチパネル搭載スクリーン、そしてフリーWiFiと大型機並みの機内エンターテイメントを提供することが可能である。これが一般的になって普及していけばますます全日空を利用する人も増えて、日本人、外国人問わずに利益になるだろう。(編集担当:久保田雄城)