日経平均始値は309円高の19216円。高値は9時1分の19193円。安値は2時53分の19395円。終値は471円高の19378円。「マイナーSQ(オプションSQ)」の日の日経平均は300円を超える大幅高、19200円台で始まる。TOPIXも2ケタ高。開始1分後に瞬間的に19200円割れするが算出されたSQ推定値は19276.09円と高めだった。為替の円安の流れが続き、ドル円は113円台後半に進んで日経平均も徐々に上値追いし、現在値よりも上にSQ値がつく良くないほうの「まぼろしのSQ」の状態は10時までに解消した。円安で癒された自動車に加え、トランプ発言で「新幹線」の関連銘柄がにぎわう。全面高のまま10時台に19300円を突破し、19350円も超える。400円高を超える高値圏のまま前引けになり、日銀のETF買いの必要なし。
後場は前引けよりもやや安く再開したが、SQ通過後の売り買い均衡で19350円を軸に値動きが乏しくなる。1時30分に経済産業省から12月の第三次産業活動指数が発表され、前月比-0.4%の103.8で3ヵ月ぶりの低下。基調判断は「横ばい」で据え置いた。1時台も、2時台に入っても19300円台半ばのままほとんど動かず、まつすぐな道でさみしい。それでも「利益確定売りの金曜日」ながら終盤は水準を上げて19400円に何回か接近し、少し下がっての大引け。471円は1月4日の大発会の478円以来の上昇幅だった。
日米首脳会談前にトランプ大統領が評価した「新幹線」の関連銘柄は、インフラ輸出では台湾で実績があるJR東海<9022>は3.02%高、インドで計画参加有力のJR東日本<9020>は3.38%高。アメリカではテキサス州でJR東海が技術支援する新幹線計画があり、カリフォルニア州ではJR東日本が受注を目指している。新幹線など高速鉄道車両メーカーの日立<6501>は0.82%高、東芝<6502>は5.50%高、東洋電機製造<6505>は6.02%高、日本車輌製造<7102>は14.59%高で昨年来高値更新、川崎重工業<7012>は3.98%高、近畿車輛<7122>は3.28%高。それより「投資妙味」がありそうな、車両用の特殊な金属部品や電線の日立金属<5486>は2.82%高、安全を支える保安システムの日本信号<6741>は2.88%高。日本の新幹線は、死亡事故は1995年に三島駅で起きた駆け込み乗車でホーム下に転落した事故1件で、海外で「安全」への評価が高いのが強み。フランスのTGVも営業運転中の死亡事故がなく高評価だが、ドイツはICEが乗客101名が死亡する大事故を起こしたため海外での受注競争で不利な立場。
3年ぶりに最終利益が黒字転換した日本マクドナルドHD<2702>は1.66%高。カサノバ社長は、アメリカのマクドナルド社が保有株を放出する話は「情報がない」とコメントした。
新規IPOが1件。名古屋市が本社で、住宅リフォーム/リノベーション、新築注文住宅の設計・施工、不動産売買・仲介などの事業を手がける安江工務店<1439>が、ジャスダック、名古屋証券取引所2部に新規上場。公開価格1250円より4%高い1300円の初値がついた。初値はかろうじて白星だったがザラ場で1600円まで上がり、終値は1490円とその後が良かった。2月の新規IPOはこのあと16日に1件、23日に3件で、計5件。
日経平均終値は471.26円高の19378.93円、TOPIX終値は+33.01の1546.56。売買高は22億株、売買代金は2兆7569億円。値上がり銘柄数は1707、値下がり銘柄数は230。全33業種がプラスで、上位はゴム製品、倉庫、鉱業、石油・石炭、輸送用機器、海運など。上海総合指数は0.42%高だった。
今週の星取は3勝2敗。前週末3日の終値18918.20円から460.73円上昇して今週の取引を終えた。
ピンチになったら助けてくれる「正義の味方」だったはずの日銀のETF買い704億円は今週8日、9日、前場で日経平均もTOPIXも〃十分に〃マイナスになり、条件は満たしていたはずなのに入らなかった。株価指数が十分下げても日銀が出し惜しみし、見殺しにする「裏切り行為」は、2月に入ってから早くも3回を数える。10日に大幅に上昇して週間騰落がプラスに転じた原動力は、そんな「裏切り者」の日銀ではなく、2017年最大にして最強のリスク要因、トランプ大統領の「口」から出た減税予告だった。誰が味方で誰が敵なのか、わからなくなってきた。(編集担当:寺尾淳)