平成27年度中に地方自治体で明るみになった汚職事件件数は81件、当事者として事件に83人がかかわっていたことが総務省の調べで25日までに分かった。横領が60人と全体の7割を占めた。
件数で前年度に比べ16件減り、かかわった人数でも21人減っていた。81件のうち59件が横領、14件が収賄、3件が詐欺、2件が公文書偽造、3件はその他で、横領が66%を占めていた。またかかわった職員の数では横領が60人と全体の72%を占めた。
かかわった事件の態様をみると、公金の取り扱いが46件で全体の56.8%と最も多く、親睦会費の取り扱いが7件、土木建築工事の執行、税の賦課・徴収が各5件、物品購入や役務提供、各種検査や審査・検定が各2件などだった。人数では公金の取り扱いが46人で全体の55.4%だった。
部門別では教育が22件で全体の27.2%を占めた。次いで総務(11件)民生・労働(10件)、警察・消防(9件)だった。
地方公共団体が汚職事件発生の背景としてあげたものでは、組織・制度上の問題(監督不十分や特定職員に権限集中など)、業務遂行上の問題(業務チェックの不備など)が多かったが、職員の資質の欠如をあげた件数も97件と多かった。防止対策では研修の強化、事務執行方法の改善で、チェックシステムの整備・強化が多かった。(編集担当:森高龍二)