15日はオランダの下院議会選挙(総選挙)の投開票日。オランダの政界はイタリアのような小党分立で、もし極右勢力の自由党が第一党になっても過半数は取れず、政策協定を結んで連立を組める相手もなく、現在の自由民主党、労働党連立内閣が引き続き政権を担当する可能性が高い。それでも極右が躍進したら4~5月のフランスの大統領選挙、9月のドイツの総選挙に影響を及ぼしかねない。
15日はアメリカで大統領府が2018会計年度の「予算教書」を発表する。焦点は減税策の中身。予算教書にそって10月からの新年度予算案を連邦議会に提出するのは大統領ではなく、与党共和党の議員団。15日にTPPの閣僚会合がチリで開かれる。日本もアメリカも中国も代表を送る。
16日にアメリカの債務上限規定が再開する。BOE(イングランド銀行)の金融政策委員会が開かれ、政策金利が発表される。16日にトルコが政策金利を発表する。17~18日にG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。開催地はドイツの温泉リゾート、バーデン=バーデンで、ドイツ系移民の孫、トランプ大統領(ドイツ語の苗字はトルンプフ)の父祖の地でドイツワインの名産地、カルシュタットも近い。
アメリカの主要企業の決算は、15日にオラクル、16日にアドビ・システムズ、ダラー・ゼネラル、17日にティファニーが発表する予定。
前週末10日の終値は19604.61円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、主要な移動平均線4本は全てその下にある。5日移動平均は19380円で224円下、25日移動平均は19284円で320円下、75日移動平均は19095円で509円下、200日移動平均は17549円で2055円下にある。前々週末の3日と比べると4本とも上昇していた。
日経平均は前週、4営業日続落を喫しながら日足一目均衡表の「雲」には一度もタッチせず、ローソク足はその上空で推移した。
10日の雲は18689~19133円で、終値19604円は雲の上限19133円よりも471円も上にあった。今週の雲は、下限は18811円から15~17日の18919円へ上昇し、上限は14日までの19139円から15日は19115円へ薄くなり、17日に1円上昇して19116円になるだけ。その分、雲の厚さは15日に200円以下になり、薄くなる。雲の下値サポート力は弱くなり、大きく下げて19000円を割り込むと、アッという間に雲の下に突き抜けてしまうだろう。3月は今後、雲の上限も下限も19000円を超え、しかも薄くなっていく。
前々週末の3日時点では、終値はボリンジャーバンドの25日線+1σ~+2σの間だったが、前週末10日の終値19604円も+1σの19469円の135円上で、+2σの19654円の50円下、+3σの19838円の234円下にある。ニュートラル・ゾーンから上にずれているが、前々週末よりさらに高いポジションに位置する。そのため今週は、前週よりも上値追いには厳しく、下方向には下落しやすい。テクニカル的にみると日経平均の上昇余地は少なくなっているので、為替のドル円が116円台、117円台になるようなよほどの好材料でもなければ、19700円台、19800円台はまず望めないだろう。
オシレーター系指標は「買われすぎ」シグナルが1個だけ点灯している。25日騰落レシオで、125.06で買われすぎ基準の120を上回っている。前々週は「買われすぎ」だったストキャスティクス(9日・Fast/%D)は56.3で買われすぎ基準の75を下回った。
それ以外は、ボリュームレシオは49でニュートラル。25日移動平均乖離率は+1.66%。サイコロジカルラインは5勝7敗で41.67%とやや低め。RSI(相対力指数)は61.6でやや高め。RCI(順位相関指数)は+13。オシレーター指標について言えば続伸前の4営業日続落が効いているのか、派手に「買われすぎ」シグナルが何個もついたりしていない。
3月3日時点の需給データは、信用買い残は2月24日時点から252億円増の2兆4651億円で3週連続の増加。信用倍率(貸借倍率)は2.59倍から2.57倍に減少し2週ぶりの減少。信用評価損益率は-5.33から-5.52へ4週ぶりに悪化した。裁定買い残は1201億円増の1兆8433億円で、3週連続で増加した。
2月27~3月3日の投資主体別株式売買動向は、外国人は796億円の3週連続の売り越し。個人は840億円の2週連続の売り越し、信託銀行は380億円の5週連続の売り越しだった。「需給三国志」は売り越しの天下統一が2週続いていた。
前週5日間のカラ売り比率は、6日が37.5%、7日が36.0%、8日が38.1%、9日が39.0%、10日が33.6%。前週は北朝鮮の腹違いの兄を殺したら甥にうまく逃げられてヤケっぱちの独裁者がミサイルを花火のようにボンボン打ち上げ、8日まで日経平均は4営業日続落したが、メジャーSQ週のロールオーバーは順調に進み、先物主導の仕掛け売りで大幅下落する需給波乱は避けられた。そのため40%を超える日はなし。メジャーSQを通過した10日は一段と低下している。