平野博文文部科学大臣は9日の参議院決算委員会で、高校授業料の実質無償化に対する効果について質され、「政党間協議で効果を議論頂いているが、文部科学省としては、制度導入により経済的理由での高校中退者が前年度より36%強減少した。高校中退者の再入学が前年度より15%増加した。低所得者世帯の私立高校などに対する経済的支援について年収250万円以下の世帯では高校授業料が全額免除相当になる措置をとっている自治体が13県から43道府県になった。中学生が希望に応じて進学する選択肢が増えている」と成果が出ている旨を答えた。大島九州男議員(民主党)が制度の理念や財源、効果について質したのに答えた。
平野文部科学大臣は制度の理念について「高校進学率が98%になっており、国民的教育機関になっている」旨をつたえ、「その教育効果は広く結果的に社会に還元されることから、教育費を社会全体で負担していくとの理念で設けられた」とした。また、制度運用の財源については「歳出削減や税制改正により政府全体として恒久財源を確保したと認識している」と答えた。(編集担当:福角忠夫)