2012年1月上旬にインド・デリーで開催された第11回オートエキスポ2012は、24か国から1500もの企業が出展した今回は、会期中の合計来場者数が約70万人と、1日平均の来場者数で東京モーターショー2011にも匹敵する盛況ぶりであったという。
2012年1月上旬にインド・デリーで開催された第11回オートエキスポ2012。24か国から1500もの企業が出展した今回は、会期中の合計来場者数が約70万人と、1日平均の来場者数で東京モーターショー2011にも匹敵する盛況ぶり、入場制限が設けられる程であった。
安定成長が続くアジアの新興国市場であるが、中でも二輪車の販売増がオートメーカ各社の売り上げをけん引している状況にある。特に開催地であるインドは、100から200ccのオートバイが約8割を担っている世界第2位の大きな二輪市場であるため、今回の自動車ショーでも二輪車への注目は非常に高いものであった。
二輪車の代表的なタイプは、「オートバイタイプ」や「モペットタイプ」と呼ばれるフレームを挟みまたがって乗車するものと、「スクータータイプ」と呼ばれるステップボードに足をそろえて乗車するものに分けられる。例えばアセアン地域では、人々の生活における主要な移動手段や、モノ・サービスの移動を支える社会インフラとして、実用性と経済性を重視した「モペットタイプ」が大勢を占めている。しかし、近年そういった傾向が変化しつつあり、今回のインドのオートエキスポでもその変化が実感できたという。
「女性の社会進出に加え、都市部の渋滞悪化、その利便性から、スクーターは今、最も伸長著しいカテゴリーのひとつとなっています」と話すのはヤマハ発動機のインドにおける現地法人の仲田氏。利便性や快適性を重視するユーザー層や女性層の増加により「スクータータイプ」の需要が増えているという。またインドやアセアン地域に限らず、世界最大の二輪車市場である中国においても、この数年間で沿岸都市部を中心に「スクータータイプ」の需要が高まっているというから、新興国市場全体でこの傾向が見られるようである。そしてこの傾向をより正確に把握すべくリサーチ目的でヤマハが出展した、今年導入予定のスクーター”RAY”のコンセプトモデル。このコンセプトモデルに対し「狙いどおり若い女性を中心に”スタイリッシュ” “おしゃれ”という評価をいただくことができました」(仲田氏)、今後もこの傾向は続くであろう。
毎年大幅な需要の伸びを見せており、「今後さらなる成長が期待される市場」と期待されるインドをはじめとする新興国の二輪車市場。そのさらなる拡大を担う鍵は、都市・女性・スクーター、といったところにあるようである。