テロ対策防止のための条約ではなく、内心の自由に踏み込むものではない「国際組織犯罪防止条約」(TOC条約)の締結に、政府・与党は内心の自由に踏み込むことになる「テロ等準備罪」(共謀罪)の創設が必要などとし、今国会での法案成立へ強行姿勢を崩していない。
条約締結やオリンピックにかこつけた『治安維持法』的性格さえうかがえる法案だけに、国会での審議を通した国民への説明がさらに求められている。
テロ等準備罪は過去3回廃案になった「共謀罪」とかわらないとして、民進党、日本共産党、社会民主党、自由党は廃案を目指している。こうした中、自民党・公明塔は17日にも衆院法務委員会で採決に踏み切る構え。民進党は金田勝年法務大臣の不信任決議案を出し、これに対抗する方針だ。
民進党の山井和則国対委員長は16日の記者会見で「金田法務大臣に対して不信任案を出さないという選択肢はありえない。この問題の本質は大臣不信任が本質でない。法務大臣が説明できない法案はそもそも法案がおかしいということ」と改めてテロ等準備罪の創設法案を問題とした。そして「法務大臣が説明できない法案を強行採決するなんていうことはありえない」と断じた。審議はまったく尽くされていない状態だ。
あわせて、民進党は「維新と自民、公明の修正案には、GPS捜査や可視化が含まれている。それ自体も重要な論点であり、それについても全く審議されていない」と問題提起した。(編集担当:森高龍二)